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第6814号

【主な記事】

徳茂前近畿支社長 オール郵政候補予定者
現場目線で全力尽くす


 全国郵便局長会(大澤誠会長)は7月に予定される参議院議員選挙で、自民党の公認を得ていた唐木徳子氏の体調不良による立候補辞退のため、新たに(前)日本郵便執行役員近畿支社長の徳茂雅之氏を組織内候補予定者として擁立することを決定した。徳茂氏は1月5日に日本郵便を退社している。12日にTKPガーデンシティ品川で開催された全特と夫人会、郵政政策研究会の合同会議、全特評議員会を経て決定したもので、同日の臨時総会で全特相談役にも就任した。支社長時代に「人材は人財」を信条とし、現場目線で潜在力を引き出そうと尽力した徳茂相談役は「約30年の郵政人生に恩返しするため、全力を尽くしたい」と力強く決意を語った。

 自民党へは、12日付で徳茂氏の公認申請をし、翌13日に公認候補予定者として決定された。今後のスケジュールについて、大澤会長は「準備ができ次第、2月早々からは本格的に後援会活動できるようにしたい。県単位での集会などに積極的に出席していただくなど、全国を歩いていただくことにしている」と説明している。
 近畿支社長時代に「日本郵便の強みは人と拠点とネットワーク。現場も支社も非常に大きな力を持っているが、潜在能力に気づいていない部分もある。もっと目を開けば、様々なことにチャレンジできる」と語っていた徳茂相談役は「年末に突然話をいただいた。NHK朝ドラ「あさが来た」風に言えば『びっくりぽんだす』」と総会会場をなごませた。
 また「約30年の郵政人生のほとんどで郵便局と関わらせていただいた。地域のお客さまにも支えられた。受けた恩を返さねばならない。しっかりと受け止め、頑張ろうと決断した。今年は丙申。形のなかったものがじわりじわりと象られ、どんどん成長するとの意味が込められているという。柘植先生、郵政研の皆さん、現場で働く局長や社員の皆さんの支えがなければ、7月までに形を作ることができない。支援のほどを賜りたい」と訴えた。
 柘植芳文参院議員は「金融2社の限度額問題にやや光がさしてきた。郵政民営化委員会(増田寛也委員長)の所見は数字こそ党提言から後退したが、中身を読むと我々の要求を組み込んでいる。次のステップで新しい方向性を出していきたい。早期に市場で堂々と経営できる環境を作ることを後押ししたい」と意欲を示した。
 また「唐木さんも懸命に思いを語ったが、復帰を待つまでは時間が許さなかった。今回、徳茂相談役という素晴らしい方に、厳しい状況の中で決断してもらった。参院選には党としても何としても勝たなければならない。短期間だが、組織力と団結力が我々にはある。徳茂相談役には『選挙は自分が戦う』という強い気概を持っていただきたい。自ら汗をかき、全国各地の仲間と力強い握手を交わしながら進めば必ず良い結果が得られる」と励ました。
 山本利郎副会長の発声で全員が「がんばろう!」と呼吸を合わせ、参院選へスタートを切った。
 大澤会長は総会後の記者会見で「農協の店舗が将来削減されるとのニュースを聞いた。今後は過疎地などで、郵便局しか金融機関がないエリアが増えることが予想される。2040年には65歳以上の方が40%を占める中で、郵便局は三事業一体のユニバーサルサービスを提供しなければならない。限度額も一定の道筋が見えた。1~2年後に期待したい。三事業のユニバーサルサービスを提供しながら市場で競争するには、郵便事業を何とか黒字化できるような形でコストの道筋をつけてもらいたい」と強調した。
 さらに「支社長経験者であれば現場の苦労も熟知いただいていると思う。会社の経営経験者から出したいと、会社と全特の話し合いの中で生まれた候補だ。孤軍奮闘する柘植先生のパートナーとして、日本郵政グループ代表として、徳茂相談役に郵政事業を国会の場から支えていただけるようにしたい」と語った。
【徳茂雅之氏】1962(昭和37)年5月2日生れ、大阪府出身。東大法学部卒。86年4月郵政省入省。91年3月~92年7月信濃中野郵便局長。2000年中国郵政局郵務部長、04年内閣官房郵政民営化準備室企画官。07年10月かんぽ生命本社営業企画部長、12年7月かんぽ生命執行役、14年4月日本郵便執行役員近畿支社長、16年1月退職。


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