「通信文化新報」特集記事詳細
第6960号
【主な記事】全社員が「魚沼プライド」バッジを付けてまい進
新潟県魚沼地区連絡会
青木 進代表主幹地区統括局長
越後上田郵便局長
新潟県魚沼地区連絡会(青木進代表主幹地区統括局長/越後上田)は本年度、損益改善、対営業目標108%以上の推進確保、社員育成を柱に掲げてまい進している。昨年度の営業では郵便・物販、ゆうちょ、かんぽが信越管内トップの顕著な成績、全国でもトップクラスの成績を上げた。営業では「魚沼うまいもの発」をはじめ、先手、先手の大規模な施策によって、高実績に結び付けているのが目立つ。特に本年度、青木代表主幹地区統括局長の発案で魚沼プライドの名前を刻んだバッジを付けて、全社員が目指標の100%達成をスタート台にして、その後の積み上げの実績が本来の利益となると取り組んでいる点が注目される。
青木代表主幹地区統括局長は、平成30年度の魚沼地区連絡会経営計画で前例踏襲からの脱却を訴えた。「100%は経営上必要不可欠な実績」であり、そこからの実績の積み上げが「本来の利益」であることを十分理解して、郵便局経営を行ってほしいと呼びかけている。
全局が100%達成してもスタート時点に立ったに過ぎないことを十分に理解するように、全社員に確実に浸透を図るようにと促している。本年度の目指標108%の達成を掲げ、その上で事故・事務ミスを0件とした。
「統括局長だより」
朝礼で全社員へ浸透
各事業の営業推進については、月初めの「統括局長だより」の指示によって、対営業目標108%以上の確保を目指し、各副統括局長が毎月の課題克服に力を入れた。社員の士気を高めるため、毎年、社員総対話を行うとともに、昨年は代表主幹地区統括局長の発案でオリジナルの新ネームプレート、本年度はバッジを作った。
モチーフは雪の結晶の六角形。魚沼地区連絡会の6部会を表し、「UONUMA with Pride」の文字が刻まれている。自信を持って地域の中で仕事をしてほしいという代表主幹地区統括局長の思いのこもったバッジを、全社員が付けて取り組んでいる。
昨年はES向上施策として、社員総対話、営業躍進大会(年2回開催)、運動会、若手社員研修会、新入社員との打ち合わせ会などを行った。運動会では午前に部会対抗の競技、午後は全員でバーべキュー大会を行っている。
若手社員の営業スキル向上施策では、魚沼塾を研修の軸としておいている。毎月、2、3年未満の社員を対象にして現在の塾生は12人。郵便・貯金・保険について実践的内容を行う魚沼連絡会独自の営業研修である。
ゆうちょ・かんぽ営業研修会は年2回開催している。社員総対話では、部会、連絡会統一テーマ等に基づいて、全社員から意見を出し合い、営業、業務等の改善について協議を行っている。
田中進副統括局長(総務担当/越後田沢)によると、今年度は496の意見が社員から出され、改善策等が検討された。その成果の一つに物販カタログ「魚沼うまいもの発」がある。今年で5年目だが、初めは魚沼の特産品である米やそばの販売に力を入れていた。
4年目からは全国の他管内からも特産品を募り、総合的なカタログ商品として販売した。本年度9月20日現在、約8万4800個と昨年度の実績数字を上回っている。更なる実績が期待されるが、「カタログに参加した企業(約120社)が潤うことができればよい」と青木代表主幹地区統括局長は話す。
また、貸切新幹線施策としてお客さま感謝イベントがある。今年度は6回目で、新潟から貸切新幹線による「復興支援の旅いわて1泊2日」を実施し、参加者は約770人だった。このイベントは青木代表主幹地区統括局長の発案から生まれたもので、2014年度に中越地震復興10周年、東日本大震災復興支援を風化させないために始めたが、まさに代表主幹地区統括局長の発案にふさわしく壮大な支援のイベントとなっている。
そのほか、フレーム切手や魚沼の観光地を紹介する絵入りはがきを作り販売している。こうした結果、連絡会の郵便部門は管内トップを走り、全国でもトップクラスの成績となっている。
代表主幹地区統括局長としての立場から、地方創生として新潟県、長野県との包括連携協定を締結したのをはじめ、連絡会内の4市2町との基本協定締結についても6部会との間で締結している。
青木代表主幹地区統括局長が郵便局長になったのは昭和62年で、就任以降地域に根差し、地域とともに歩む郵便局を目指した。エリア内の二つの学校のさまざまな行事に参加するとともに、郵便局の応援もしてもらった。営業に関しては局長1人でやるものではなく、全員が取り組むものであり、社員にはもう一つ上の役職を目指すような社員育成が大切としている。統括局長になったのは平成17年で、まとまりのある連絡会を創ろうと思った。
管内トップから
全国トップへ
今年度の保険営業方針について、前年度よりもう一段、ステップアップする推進計画を打ち出した。具体的には、昨年は8月頃から管内トップとなったが、本年度は立ち上がりから管内トップで走っている。保険以外の事業でも管内3位以内を目指して、総合では管内トップ、全国トップクラスの位置を確保したいとしている。
地方創生では地域と共に一緒にやっていくことが大事で「地域の発展なくして郵便局の発展はない。これからは郵便局として損益改善を行うことが必要であり、郵便局長自身がもっと、勉強して有言実行によって、社員と一体感を持って取り組むことが肝心」と呼びかけている。
社員が喜ぶ施策で
連絡会が結束
■総務担当―田中進副統括局長(越後田沢)
▽代表主幹地区統括局長を中心にまとまりの良い連絡会である。要因として挙げられるのは社員が喜ぶような施策が多く、躍進大会、運動会、研修会もその一例だろう▽連絡会の良さは、代表主幹地区統括局長のリーダーシップとアイデアが豊富であることが大きく起因している。
▽損益の関係では支出を押さえて営業に取り組むことが大事と訴えている。その成果が昨年、全国238地区連絡会中4位となってあらわれた▽経費の節減では、主に人件費の関係で効率的な業務運営に心がけ、超勤をできるだけ抑えている。これが定着していることが大きい▽年2回の躍進大会には会社の幹部が来賓として、目の前で訓話をしてくれるので、社員には大きな刺激になっている。
▽注目されるのは社員総対話である。部会毎に集まって連絡会からのテーマに沿って意見交換をしている。その中から「魚沼うまいもの発」が生まれた。初めは魚沼単独だったが、全国の企業にも参加してもらって、大きな成果につながった▽防犯関係では17年間、犯罪が出ていない。これは防犯研修に夫婦で参加してもらい、情報の共有化を図っていることが効果を上げている。
▽地元との連携によって、地区内の地元4市2町の観光地を紹介するオリジナル絵入り葉書を作っており、成果を上げている。
大きな成果を上げた
「魚沼うまいもの発」
■郵便・物販担当―田村政勝副統括局長(片貝)
▽昨年度の郵便収入とゆうパックは顕著な成績を上げ、管内トップだった。物販と広告ビジネスは管内2位の成績。要因としては、代表主幹統括局長のトップセールスの成果が非常に大きい。マイスターが40人と多いのも特徴。
▽物販の「魚沼うまいもの発」は9月の時点で昨年度実績を上回った。魚沼産の商品のほか全国各地の名産品もあり、昨年は約5万1600個で、本年度は9月20日現在で約8万4800個と昨年度実績を大幅に上回っている。
▽郵便部門と窓口部門の管理者が集まる郵便営業フロントライン協議会を毎月、開催している。事業所をリストアップして、一体営業で取り組んでいる▽米ゆうパックの実績は大きく、昨年度は約10万7000個。本年度は更なる増加が期待されている。
▽広告ビジネスでは「郵便局だより」を出し、多くのスポンサーが集まり成果を挙げた。また、ワゴンセールス販売の拡大を図っている▽士気を高めるための統括局長杯インセンティブ施策が効果を上げている。
集中満期は
再預入率80%に
■ゆうちょ担当―髙橋秀利副統括局長(大割野)
▽昨年度の営業は定額定期、期中お得意さま、年金口座が管内トップとなり、全体的によく頑張ったと評価している▽力を入れたのは年金受取について、年金口座の確認を行い、年金口座は147.66%と顕著な推進を上げた▽集中満期については、再預入率79.89%を挙げた。5千円、1万円の少額についても再預入に結び付けた成果だった。
▽個人・個局への報労という統括局長のインセンティブが効果を上げた。特に昨年1月から3月まで行った年金受取について、新年度の予約の獲得を対象に行ったインセンティブ施策が抜群の成果を上げた▽本年度、再預入率では90%以上の獲得を目指している。投資信託は更なる裾野拡大を図ることにしている。
全局全完を
連続して達成
■保険担当―南雲徳壱副統括局長(土樽)
▽前年度、かんぽは118.66%の推進率を上げ、管内トップだった▽一昨年に引き続いて全局全完達成である▽肝心なことは日々の推進管理を徹底して、週で2%以上、月では9.42%以上の推進を図ったこと▽全員がかんぽサイクルシートを活用して取り組んでいる。それによってあいさつ状を何通出しているのか、電話アポや訪問はどうか、設計書は何通作成しているのかが分かるものとなっている。
▽ライフプラン相談会が顕著な実績を上げた。事前準備で、成約率が高いと思われるお客さまを絞り込んで取り組んだことが秘訣。昨年の連絡会全体のライフプラン相談会では5月13日(保険250万円、がん保険は44万円)と、12月2日(保険303万円、がん保険51万円)で、本年度では5月12日(保険407万円、がん保険は99万円)と前年度を上回る大きな成果につながった。
▽学資保険販売にも力を入れており、お客さまへの子育て等のアンケートを踏まえ、保険販売の訪問活動につなげたいと青木代表主幹地区統括局長は企画している。
■連携担当―青木茂樹小出局窓口営業部長
▽単マネ4局がエリア局の足を引っ張らないで、けん引するつもりで取り組みたい▽代表主幹地区統括局長から言われているのは、自分で訪問して取り組むことである▽全商品の目標を早期達成するよう取り組んでいる。
■野池勝彦地区連絡会スタッフ
▽基本的には統括局長だよりの指示により、副統括局長が各事業の推進状況を見ている。
▽こだわっているのが月間推進で、推進管理では個局を訪問して自分の目で見て指導することにしている。
■信越支社の浅川康弘経営管理本部総務・人事部損益・人事担当調整役
▽損益・人事関係を主に連絡会のサポート10に当たっている▽代表主幹地区統括局長の日々の行動で特に感銘を受けているのは、多忙を極める中、常に先頭に立ち、連絡会を牽引されているところ。また、郵便局在局時には、来局されたお客さまに必ず声をかけていることである。連絡会の局長、社員、お客さま、また地域を本当に大切にされている。こうした点を管理者として、日々、勉強させてもらっている。
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