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2021年9月20日第7110・7111合併号

【主な記事】

プライム市場を目指す
[ゆうちょ銀行]自己株消却

 ゆうちょ銀行は8月30日、取締役会を開き、自社株式7億50455万4980株(総株式の16.6%)の消却を決議した。9月15日に実施する予定。来年4月から実施される東京証券取引所の市場区分の見直しに備えるもので、同社は最上位のプライム市場を選択するため、基準を満たせるよう今後も流通株式比率の向上に努める方針。
 プライム市場は「グローバルな投資家との建設的な対話を中心に据えた企業向けの市場」として位置づけられ、株主総会で安定株主が特別決議可決のために必要な3分の2を占めることのないよう、流通株式比率を35%以上にする必要がある、という条件が設定されている。
 今回の消却により、同社の流通株式比率は8.8%から10.6%になる。年内に35%以上にするのは難しいものの、「上場維持基準への適合に向けた計画書」などを提出・開示することにより、当分の間、経過措置が適用される。
 同社では計画書提出に向けて準備を進めている。今後も自社株取得・消却を含めた株主還元の実施を検討していく。
 同社の自己株式は、上場前の2014年9月、日本郵政から1.3兆円分の自己株式を取得した。売却により得られた資金はトール社の買収に6000億円、退職金給付信託(恩給)に7000億円が充てられた。


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