「通信文化新報」特集記事詳細
第6881・6882合併号
【主な記事】第84回 郵政記念日中央式典
5690人に30年表彰
第84回郵政記念日中央式典が4月20日、東京都千代田区の帝国ホテルで行われた。中央式典では、優秀な成績で30年以上勤務した役員や社員372人に永年勤続功労表彰が授与された。全国の支社でも記念式典が行われ、合わせて1万2964人(30年が5690人、20年が7274人)が永年勤続表彰を受けた。
郵政記念日は1871年4月20日(旧暦3月1日)に新式郵便業務が東京・大阪間で開始されたことを記念して、1934年に逓信記念日として定められた。「通信事業特別会計制度」が制定され、郵便の使命であるサービスの向上と料金の低減化の実現に向け現在の郵政事業発展のスタートを切った年であった。逓信記念日は後に郵政記念日となった。
式典には、表彰者や社員を長年支えてきた家族、関係者らが出席した。まず日本郵政の長門正貢社長は「一昨年11月に3社が同時上場を無事に果たし、ユニバーサルサービスを提供しつつ成長戦略や収益力を確保できるようになった。国内ではeコマースの爆発的拡大、マイナス金利の継続、労働需給の逼迫、働き方改革、海外ではトランプ大統領の登場、中国やインドの台頭など時代が変化している」と語った。そして「日本郵政グループへのリスクとなるかもしれないが、チャンスと捉えたい。新しいニーズ、時代に対応すべく商品を開発・創造しなければならない。時代に即応する新しい日本郵政グループを立ち上げていくのは、社員一人ひとり。豊かな経験と知識をテコに一層貢献してもらいたい。後進の育成にも力を得たい。ベテランも若手も一丸となり、新しい明日にチャレンジしていこう」とあいさつした。
来賓として招かれた横山信一参議院総務委員長は「日々の業務の中から新たにサービスを創り出し、企業価値の向上を推進してもらえることを期待している。真摯な審議を通して皆さまの活動を支援したい」と祝辞。
赤間二郎総務副大臣は「ゆうちょ銀行とかんぽ生命保険の新規業務の認可については、郵政民営化委員会の意見を求めているところだが、その意見を踏まえ速やかに審査していきたい。今後も皆さまの取組みを支援していきたい」と述べた。
岩田一政郵政民営化委員長は「民営化10年となり着実に進展していることを実感している。各社は厳しい環境にあるが、中期経営計画を着実に実行し、一層の発展を期待している。民営化がより良い形で成功するよう、力になりたいと考えている」と語った。
日本郵政グループ各社の事業に貢献した5つの団体と2人の個人に各社の社長から感謝状が贈られた。
日本郵政の長門社長からは、前島密の功績を偲ぶ活動を通じ、郵政事業の発展に貢献してきた「前島密翁を称える会」に、日本郵便の横山邦男社長からは年賀寄附金審査委員長を務める石崎登さん、手紙・郵便文化の普及に貢献した「九度山町」、はがきを通じた観光PRに取り組む「ちりつも観光プロジェクト」、サンタメール事業を長年続ける「広尾町北方圏交流振興会」に、ゆうちょ銀行の池田憲人社長からは企業イメージの向上に貢献した「わたしのマチオモイ帖制作委員会」に、かんぽ生命保険の石井雅実社長からはNHKテレビ・ラジオ体操のピアノ伴奏者の名川太郎さんに感謝状が手渡された。
中央式典で30年の永年勤続功労表彰を受けたのはグループ合わせて372人。日本郵政は32人、日本郵便は272人、ゆうちょ銀行は45人、かんぽ生命保険は23人。代表者に各社の社長から表彰状が手渡された。
日本郵政は東京逓信病院副看護部長の梅木恵美子さん、日本郵便は南大和郵便局の細野敬能局長、ゆうちょ銀行は岡山店の須田誠店長、かんぽ生命保険は契約サービス部の安達多摩美担当部長が代表となった。
最後に長門社長を前に、受賞者を代表してゆうちょ銀行中野店の齋藤哲也店長が「1987年に入社以来、貯金一筋で歩んできた。30年の勤務の中で感じたことは、大事なお金を10年もの長きにわたり、ゆうちょに預けていただいているのは信頼あってのこと。日本郵政グループが創業以来146年間、お客さまの生活を支援する役割を変わらずに果たしてきた結果、高い信頼を得ているのだと思う。その信頼関係をより強固なものとし、お客さまや地域のニーズに応えるサービスを提供するために全力で取り組んでいきたい」と答辞を述べた。
>戻る