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2020年11月16日 第7066号

【主な記事】

ラベルなしでポストに投函
「ゆうパケットポスト」
[日本郵便]メルカリと新サービス


 メルカリと日本郵便は11月4日、宛名ラベルなしで全国約15万個の郵便ポストに直接、投函できる「ゆうパケットポスト」のサービスを、同日から開始すると発表した。
 両社の利用者にとって利便性が高まるほか、ポストの有効活用にもつながる。非接触・非対応で、窓口の負担も減る。日本郵便では今後、この“三方よし” 以上のサービスをメルカリ以外にも展開する方針だ。
 新サービスは、フリマアプリ「メルカリ」で売れた商品を発送する際に、「ゆうパケットポスト」を使えば、専用バーコードをスキャンするだけでポストに直接、入れることができる。ラベルの貼り付けが不要となる。
 使い方は、専用箱を購入。箱に印刷されている二次元バーコードをメルカリの専用アプリを使い読み取るだけ。24時間、近くの郵便ポストにそのまま差し出せる。
 支払いもキャッシュレスで決済でき、差出人の住所や氏名も不要。専用箱は、縦32.7センチ×横22.8センチ×厚さ3センチの大きさで、箱は1箱税込65円。利用料金は重さ2キロ以内なら、税込200円(来年4月末まではメルカリポイント20ポイントを付与)。書籍や薄手の衣料、アクセサリーなど小物の発送に向いている。
 専用箱は全国の約1100の郵便局やローソン(一部の店舗を除く)、100円ショップ「セリア」(同)、メルカリストアで販売している。今後は、ドラッグストアなどでの取扱店舗の拡大を検討したいという。専用箱複数購入で割安になる。セリアは2枚税込110円、メルカリストアは5枚300円となる。
 メルカリジャパンの田面木宏尚上級執行役員(メルカリジャパンCEO)は「24時間、身近なポストで発送ができるのが大きな利点。新型コロナウイルス感染症で新しい生活様式が求められているが、このサービスは郵便局で並ばなくてもよく、非対面・非接触でできる。利用者の利便性向上につながる。この便利な新サービスにより、新たな顧客も見込める」とメリットを話す。
 メルカリの売り上げは、個人間EC取引の増加により、急増している。取引総額は前年と比べて22%増の6259億円(6月現在)。2年前と比べると45%も増えている。1か月に1回以上メルカリを利用して日本郵便のサービスで発送した人は、1745万人(6月現在)。
 日本郵便によると、「メルカリの利用者が、窓口に並ぶ状況がある。並んでもらうのは申し訳ないという現場の声もあった」という。非対面と顧客の利便性、郵便ポストの活用と維持という面から、今後もポストを活用したサービスを検討する方針。
 メルカリ出品者が利用する日本郵便の配送サービスの大多数は、ゆうパック60サイズ以下、ゆうパケット、ゆうパケットプラスが多くを占める。メルカリで売れた小さな商品をゆうゆうメルカリ便で発送する場合、新サービス「ゆうパケットポスト」とゆうパケットは、3辺の合計が60センチ、厚さ3センチ、重さ2キロ以内は、全国一律・税込200円、ゆうパケットプラスは厚さ7センチ、重さ2キロ以内で、全国一律・税込375円。ゆうパック60サイズ(25キロ以内)は700円。
 メルカリでは新サービス開始を記念して「もらって、撮って、ポストにポン!ゆうパケットポストで発送料実質無料キャンペーン」を11月5日から30日まで実施する。
 期間中、同キャンペーンサイトで「参加する」ボタンを押すと、ローソンで使える専用箱と60サイズ段ボールの梱包資材無料クーポンをプレゼントされる。また、ゆうパケットポストを初めて利用した人は、出品者に対して、180円分のメルカリポイントが付与される。抽選で売却金額の最大2倍分(売上金額に同額のメルカリポイントを付与)がもらえる。


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