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2020年11月23日 第7067号

【主な記事】

純利益は24.4%減
郵政グループ中間決算

 日本郵政グループの中間決算が11月13日に発表された。連結の中間純利益は前年同期比24.4%減の1789億円。日本郵便が65億円の赤字、ゆうちょ銀行は1242億円、かんぽ生命保険は936億円。かんぽ生命保険だけが、前年度と比べて増益となった。ゆうちょ銀行は海外債権のリスクが3月と比べて縮小したことから、当期純利益の業績予想を700億円増の2700億円に上方修正した。日本郵政、ゆうちょ銀行ともに未定としていた期末配当は、1株当たり50円に修正した。

 日本郵政グループ(日本郵政連結)は減収減益となった。連結の経常収益は前年同期比5.5%減(3301億円)の5兆6391億円、経常利益は同10.4%減(419億円)の3606億円、中間純利益は同24.4%減(576億円)の1789億円。
 低金利やコロナウイルス感染拡大、金融商品の積極的な営業を控えていたことから、3社ともに経常収益は前年同期と比べて減益となった。かんぽ生命保険の経常利益と中間純利益は増益。
 ゆうちょ銀行が当期純利益の通期業績予想700億円増の2700億円に上方修正したことに伴い、日本郵政の当期純利益も600億円増の3400億円と上方修正した。
 当初に設定した日本郵政当期純利益の通期業績予想2800億円に対する進捗率は63.9%だが、修正により、進捗率は52.6%となった。
 増田社長は「前半期は営業を止めていたこともあり、きちんとしたサービス提供ができていなかった。後半はお詫び行脚は続けるが、お客さまとの信頼回復ができるかどうかが今後の業績につながっていく。経営環境は厳しく、コロナウイルス感染の問題もあり、お客さまに接する機会は限定的だが、お約束した業績(予想)は必ず、クリアしたい」と見通しについて話す。

 日本郵政単体は赤字
 ゆうちょ株が評価損

  日本郵政は、ゆうちょ銀行の9月末の株価が簿価の50%を割り、今後も回復が見込めないことから、中間決算で保有する株式の減損処理を行った。このため、単体では中間純利益は2兆9316億7300万円の赤字となった。
 ゆうちょ銀行の評価損は、3兆404億9600万円で、特別損失として計上した。日本郵政はゆうちょ銀行の保有株式は89%。
 ゆうちょ銀行の簿価は、2007年の民営化時のもので、1株1732円。基準となる9月30日の株価は821円。上場時の売り出し価格は1450円だったが下落傾向にある。


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