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2020年11月23日 第7067号

【主な記事】

連携事業を活発化
[中国支社]鳥取市と包括協定


 鳥取市(深澤義彦市長)と日本郵便は、包括的連携協定を11月5日に締結した。「地域食堂ネットワークとの連携によるこども食堂への支援」や「中山間地みまもり協定による高齢者等の異変等に関する通報」など個別の分野で幅広く連携している両者は、これまでの事業を深化し、より幅広い分野で連携することを決めた。今回の協定締結によって、さらなる地域社会の振興と発展を目指していく。
 同日、鳥取市役所市民交流センターで「鳥取市と日本郵便株式会社との包括的連携協定締結式」が行われ、深澤市長、高橋義幸企画推進部長、中国支社の小林利行支社長、因幡地区連絡会の谷口雄史統括局長(鳥取大正)、大野康博局長(鳥取中央)ら多くの関係者が出席。深澤市長と小林支社長が署名し、協定書を取り交わした。
 小林支社長は「新庁舎オープン1周年の日に、包括連携協定を締結できたことはこの上ない喜び。鳥取市とは、こども食堂はじめいろいろな形で連携を図ってきたが、今回の締結を契機に、一層連携を深めてまいりたい」と述べた。
 深澤市長は「日本郵便とは、すでにさまざまな分野で連携を取っている。このような中で、今回より幅広い連携協定に至り、地方創生や市民生活の安全安心、青少年の健全育成、子育て支援等、多様な分野での取組みがより具体的に実現していくものと期待」と語った。
 谷口地区統括局長が、プロジェクターを使って連携事業概要の説明を行った。

概要説明の要旨

《鳥取市には直営39局と簡易局34局の合計73局が、中心市街地から山間地のすみずみまで配置され、市民の重要な生活拠点として機能している。県東部では、鳥取市、岩美町、若桜町、八頭町、智頭町に配置されている因幡地区連絡会に所属する55局と鳥取中央郵便局が相互連携を図りサービスを展開している》
○地域社会に貢献する取組み=鳥取県東部56局と兵庫県北西部17局のすべての郵便局と連携を図り、今年7月に全国初となる一般社団法人「麒麟のまち観光局」と包括連携協定を締結し、地域経済活性化の実現を図る取組みとして、郵便局の観光振興支援活動がスタートした。
 鳥取市が2015年11月に設立した「鳥取市地域食堂ネットワーク」への取組みに賛同し、全国初として2019年2月に鳥取市と地域食堂ネットワークの覚書を調印。地域の皆さまと地域食堂の橋渡しをする郵便局の「フードドライブ」を開始した。「鳥取市モデル」として評価され、郵便局のフードドライブによる支援の輪が沖縄県はじめ全国で広がっている。
○包括的連携協定
①地方創生=郵便局の窓口ロビースペースを活用し、商店の少ない山間地の郵便局での日用品の販売や市街地の郵便局での農産品直売を実施。生産者や地域の皆さまに喜ばれている。また、郵便局サービスと鳥取市の行政サービスが1か所で受けられるなど利便性向上を図るため、2014年に福部町総合支所内に福部郵便局を併設した。
②市政情報発信=鳥取市と日本郵便は、鳥取市シティセールスプロモーションを支援する「すごい!鳥取市応援プロジェクト協定」や「麒麟のまち圏域における観光振興に向けた包括連携協定」を締結し、郵便局ネットワークを活用して鳥取市の魅力を全国に発信してきた。
 今後も、鳥取中央郵便局や関西圏の単マネ局スペースを活用し、鳥取ブランドの物産展を継続して開催するほか、東京のKITTEでのイベントも検討する。
③青少年育成支援=「鳥取市地域食堂ネットワーク」との連携施策のフードドライブに関しては、郵便局の社員も地域食堂に参加して運営する人たちと意見交換を行い、鳥取市の担当者からのアドバイスを受けながら、引き続き青少年の健全な育成への支援を展開する。また「手紙の書き方教室」の出前授業も継続して行っていく。
④地域や暮らしの安心・安全=ひとり暮らしの高齢者をはじめ、地域住民の異変、道路損傷、不法投棄などの情報を行政に通報する。また、迷い犬猫や放浪犬の情報提供も検討していく予定。
⑤防災・災害=鳥取市作成の「総合防災マップ」は、すでに市内郵便局窓口に設置し、地域住民への配布協力を行っている。地域の防災啓発活動への支援や災害発生時の復旧復興への活動支援も防災士資格を持つ郵便局長を中心に展開する予定。
⑥その他、地域社会の活性化・住民サービスの向上=ワンストップ行政の拠点として中国地方で初めて設置された鳥取若葉台郵便局の「キオスク端末」活用や、移住定住施策「#鳥取家族」への支援、文化スポーツ振興、鳥取砂丘一斉清掃作業などの環境保全活動への参加をはじめ、福祉向上施策として鳥取県看護協会との連携を図り、医療機関の少ない地域住民の健康増進のための「まちの保健室」を郵便局の窓口ロビーで定期的に開催している。
 閉式前には、麒麟獅子で楽しむ会「麒麟でいっぱい」の石田一高さんによる、麒麟獅子舞マリオネットが披露された。鳥取県東部(因幡)と兵庫県北但西部(但馬)には、麒麟に扮して舞う「麒麟獅子舞」という幻想的な伝統芸能が伝わっている。麒麟獅子舞は、人々に幸福をもたらす芸能として因幡・但馬の地域に愛されており、約150の村々に受け継がれ、春と秋に行われる神社での例祭を中心に、ほぼ1年を通じて舞われている。

 「麒麟獅子」ポスト
 鳥取市役所前に

 包括的連携協定の締結式後、鳥取市役所本庁舎前で「麒麟獅子」のラッピングポスト除幕式が開催された。日本遺産「麒麟のまち」推進協議会の大谷芳徳プロジェクトリーダー、深澤市長、高橋企画推進部長、小林中国支社長、谷口統括局長、大野局長が参加し、除幕を祝福した。
 大谷プロジェクトリーダーのあいさつ後、司会者の合図で出席者が除幕。記念撮影の後、大野局長がお礼の奉納を行い、地元保育園の6人の園児が手紙を初投函した。


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