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2020年11月30日 第7068号

【主な記事】

クイーンズ駅伝in宮城2020
大会新記録で連覇
日本郵政グループ女子陸上部


 クイーンズ駅伝in宮城2020(第40回全日本実業団対抗女子駅伝競走大会)が、松島町文化観光交流会館から弘進ゴムアスリートパーク仙台までの6区間(42.195キロ)で11月22日に開催された。好天に恵まれる中、大会連覇を狙う日本郵政グループ女子陸上部は、大会新記録となる2時間13分34秒のタイムで、昨年に続いて連覇を果たし、3回目の優勝を飾った。

 大会は22チームが出場し、12時15分にスタート。日本郵政グループ女子陸上部は1区(7.6キロ)で、廣中璃梨佳選手がスタート直後からトップに立ち、2位以下に30秒以上の差をつけ、区間賞を獲得する快走を見せた。
 2区(3.3キロ)では菅田雅香選手が粘り強い走りで、3区(10.9キロ)の鍋島莉奈選手へ。鍋島選手はトップの座を明け渡すものの、区間新記録(区間2位)の走りを見せる。
 4区(3.6キロ)では宇都宮恵理選手がトップとの差を保ちながら5区(10キロ)の鈴木亜由子選手へタスキをつないだ。
 ケガから復帰した鈴木選手は、タスキを受け取った時点でトップと55秒差。東京五輪女子マラソン代表でもある鈴木選手は、ここから貫禄の走りを見せる。ぐんぐんとトップとの差を縮めていき、7キロを過ぎたところで逆転。最後の上り坂でも力強い走りで、2位に29秒の差をつけて区間賞を獲得、6区(6.795キロ)の大西ひかり選手へつないだ。
 最終6区で大西選手はトップをしっかりと守り、Vサインで笑顔を輝かせてゴールテープを切った。
 今大会は新型コロナウイルス感染症拡大防止の観点から、沿道における応援自粛要請がなされるなど、厳しい条件下での開催となった。
 6選手のほか、サポートに回った関根花観選手、太田琴菜選手、樽本知夏選手、高橋明日香選手、林英麻選手、髙橋昌彦監督はじめチームスタッフたち、テレビ中継やSNSなどからエールを贈った日本郵政グループの多くの人たちがまさに一体となり、見事に2年連続3回目の優勝を手にした。

【出場選手とコメント】
〈1区〉廣中選手(区間賞、区間1位)23分21秒=昨年より600メートル長くなり不安もあったが、落ち着いて自分のペースでレースを運ぶことができた。何よりも2連覇をチーム全員で勝ち取れてうれしかった。
〈2区〉菅田選手(区間11位)10分40秒=無観客開催で寂しい部分もあったが、2連覇を達成できてうれしい。個人的にはチームに貢献できるような走りができず、改めて練習の大切さを痛感した。この悔しさと、支えてくださった人たちへの感謝を忘れず、来年は絶対に強くなって仙台に戻ってこられるよう力をつけていく。
〈3区〉鍋島選手(区間新記録、区間2位)34分25秒=トップでタスキをもらったが、1分近く引き離されてしまい、後半区間の選手に大きな負担をかけてしまった。それでも、チームとしては2連覇を達成できてとてもうれしい。
〈4区〉宇都宮選手(区間14位)11分37秒=実績も実力も無い私が、チームメイトのおかげで2度の日本一の景色を見させてもらい、とても感謝している。自身の今持てる力は出し切り、区間結果は良くなかったが悔いはない。
〈5区〉鈴木選手(区間賞、区間1位)32分18秒=みんながベストの走りで、必死でタスキを繋いでくれたので、私も今の力以上のものを出すことができた。高め合える仲間、チームの存在に感謝している。無観客試合でも、様々な形で皆さんの応援は確実に届いており、私たちの原動力となった。今大会で得た課題や手ごたえを、必ず次回につなげていく。
〈6区〉大西選手(区間賞、区間1位)21分13秒=連覇がかかる中、昨年以上に緊張していたが、5区までの選手が作り、耐えて守ってくれたリードがあったので、ゴールまで全力で走り切ることができた。昨年の自分よりも成長を感じられたので、引き続き目標に向けて積み重ねの努力を大切に、トレーニングをしていく。
 髙橋監督は次のように語っている。「『チームで克つ』を合言葉に、限られた練習環境の中で創意工夫を重ね、選手1人ひとりのレベルアップを図ってきた。故障や体調不良など様々な困難もあったが、選手たちの日々のひたむきな努力により、2年連続3度目の優勝を飾ることができた。レース中は、前評判のプレッシャーをものともせず、リードされても慌てることなく、仲間を信じて自分のベストを尽くす選手たちの走りに対して、逞しさを感じ、終始安心してレースを観ていることができた」。
 「(各区を走った)6人の選手たちをはじめ、控えには回ったものの、日頃から共に切磋琢磨して互いに高め合ってきた選手たち、その選手たちを全面的に支えてきた事務局スタッフ、さらには現場スタッフたちの日頃からの思いやりある指導の成果が集結してこその優勝」。
 「来年は郵便事業150周年の記念すべき節目の年。2021年クイーンズ駅伝優勝は2014年の創部時からの悲願であり、今も達成すべき大きな目標。来年は大会3連覇もかかるが、グループ社員の皆さまに、そして近代日本郵便制度の父であり、同じ越後新潟出身である前島密翁にも良いご報告ができるよう頑張っていく。引き続き応援をお願いしたい」。

激励会を開催

 大会を前にした19日に、髙橋監督、齋藤由貴コーチらを迎え、東北支社で激励会が行われた。古屋正昭支社長はじめ支社、郵便局、グループ各社等から約100人が出席。大会の各区間に所在する郵便局の局長・社員らが必勝応援メッセージを寄せた動画が放映された。
 古屋支社長は「昨年もこの激励会から始まった。今年もここから始まる。合宿での仕上がりは大変良いと聞いている。選手の走りが私たちを元気にしてくれる。テレビの前でしっかりと応援したい」とあいさつ。
 髙橋監督は「今年で40回目の大会で、震災から10年目、仙台大会となってから10年目となる。震災のことを忘れずにしっかりと走っていきたい。チームはここにきて大変良い状態になっている。2017年に果たせなかった2連覇を果たしたい。チームは今年で7年目となり、駅伝は6回目の出場。来年はオリンピック開催とともに、郵便事業150周年の節目の年にもなる。陸上部が優勝して花を添えられるよう頑張っていく」と力強く語った。
 齋藤コーチは「皆さんの熱い応援をいただいて、しっかりとタスキをつないで笑顔でゴールをしたい。テレビの前で熱い応援をお願いします」と呼びかけた。
 古屋支社長から髙橋監督へ応援メッセージ動画が、ゆうちょ銀行の月原健雄東北エリア本部長から齋藤コーチへ寄せ書きが、澤口真美絵日本郵政グループ女子陸上部OG(仙台中央局総務部)から髙橋監督と齋藤コーチへ花束が贈呈された。最後に、全員で連覇を祈念して右手を挙げて力強くエールを送った。


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