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2020年12月7日 第7069号

【主な記事】

自治体事務の受託開始
[関東初]茨城県大子町の3郵便局


 関東支社(西澤茂樹支社長)は11月12日、茨城県久慈郡大子町の地方公共団体事務の包括受託を開始した。9月29日に大子町役場庁議室で締結された「大子町と日本郵便株式会社との包括的連携に関する協定及び包括事務受託に関する協定」に基づくもので、全国では5例目、関東支社管内では初めてとなる。

 大子町は人口1万6320人。65歳以上の人口割合が45・3%(いずれも11月1日現在)と県内で最も高い。高齢化により交通手段が限定され、町役場へ出向いて行政手続きを行うことが困難な町民が増加している。
 地域に根差した行政サービスの拠点づくりが必要となっており、事務の一部を郵便局に委託、効率的な財政運営を行いながら、町民の利便性向上を目指す。
 取扱局は町付局、生瀬局、大子佐原局で、取扱時間は平日9~17時(祝日、12月29日~1月3日を除く)。①公的証明書の交付事務②公的証明書以外の申請受付等事務、の2つを実施する。
 取り扱う内容は▽戸籍の全部事項証明書又は個人事項証明書▽戸籍の附票の写し(全部・一部)▽住民票の写し(除票を除く)▽印鑑登録証明書▽軽自動車税納税証明書(継続検査用)▽国民健康保険の負担限度額認定及び被保険者証等再交付申請書の受付▽後期高齢者医療制度の負担限度額認定及び被保険者証等再交付申請書の受付▽医療福祉費制度申請書の受付▽介護保険の要介護(要支援)認定更新、負担限度額認定、高額介護(予防)サービス費、被保険者証再交付申請書の受付▽児童手当消滅等申請書類の交付▽精神保健福祉手帳申請書の交付▽身体障害者手帳申請書の交付▽療育手帳申請書の交付。
 11月12日、大子佐原郵便局の駐車場で取扱開始式が行われた。関東支社の西澤支社長、茨城県北部地区連絡会の石井義孝統括局長(上小川)、関東支社経営管理部の新井敦部長、旅澤雅博副統括局長(地方公共団体担当/上野宮)、益子哲局長(大子部会長/西金)、國谷博局長(包括事務受託局代表/大子佐原)はじめ関係者が出席。
 大子町からは高梨哲彦町長、赤津康明副町長、矢田部信彦町民課長、町島弘幸税務課長、鈴木大介福祉課長が出席、来賓に大子町議会の齋藤忠一議長を迎えた。
 出席者の紹介、概要説明に続き、西澤支社長が「大子町とは2017年4月に『郵便局のみまもりサービス』の行政受託契約を締結し、その後、みまもりサービス利用者向けの買い物サービス、今年9月からは包括連携協定の取組みもスタートしている」と説明。
 「本日からいよいよ包括事務受託として、新たに様々な業務を行うこととなった。責任感、緊張感をもって万全の体制で臨み、町民の生活向上に貢献したい」と述べた。
 石井統括局長は「郵便局は全国約2万4000局のネットワークを活用し、地域の皆さまの生活インフラとして、地域の活性化に日々取り組んでいる。近隣の皆さまに郵便局を大いに利用、活用していただきたい。今後も、大子町の皆さまの利便性の向上や地域福祉、環境保全など幅広い分野で貢献し、役に立てるよう取組んでいく」とあいさつ。
 高梨町長は、町政への協力に感謝を述べ「町民の利便性向上、窓口行政の円滑な運営、地域に根差した行政サービスの拠点作りを目的に、町の特定事務を取り扱う3局を指定した。関東で初の取組みとなるこの連携は、関東、また全国をリードしていくものだと思う。日本郵便とは、今後も町民の安心・安全な暮らしに向けた環境整備、地域の活力向上に繋げていけるよう協力していきたい」と期待した。
 齋藤議長の祝辞に続き、来賓によるテープカットには、ぽすくまと、大子町のマスコットキャラクター「たき丸」も参加した。
 続いて、高梨町長から國谷局長へ「大子町 行政事務取扱局」の看板が授与され、取り扱いが開始された。
 日頃から構築された信頼関係が実を結んだ協定。収束がまだ見通せない新型コロナウイルス感染症など、不安の多い社会情勢が続いている中で、地域の住民や生活に密着した郵便局ならではの地域貢献、取組みが期待されている。


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