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2020年12月21日 第7071・7072合併号

【主な記事】

「このつながりは、一生もの。」
想いを伝える大切さを
年賀状の受付開始


 2021年用年賀状の受付が12月15日、全国一斉に始まった。この日は年賀状受付開始セレモニーが東京都千代田区のJPタワーホール&カンファレンスで行われた。年賀状コミュニケーションパートナーで6年目となるアイドルグループ「嵐」の相葉雅紀さんと二宮和也さんが出席。「このつながりは、一生もの。」をテーマに年賀状について語った。
 日本郵便からは田中豊執行役員と金児博幸東京中央郵便局長が出席。田中執行役員が「『このつながりは一生もの。』をキャッチフレーズに年賀状のプロモーションを展開している。SNSがコミュニケーションの主流となっているが、年賀状は目で見て手に取れる形で、人と人のつながりを感じされてくれる」と強調した。
 「今年は大切な人に会いたくても会えない状況が続き、コミュニケーションの大切さを多くの人が改めて認識した年だからこそ、年賀状がお互いの想いや気持ちを伝え合い、つながりを深めるきっかけになれば幸い」とあいさつした。
 この後、郵便ポストがお披露目された。新型コロナウイルス感染症対策としてソーシャルディスタンスを取るため、左右2つの投函口が付いた今年らしいデザインだ。
 トークショーでは、年賀状について相葉さんは「SNSでもつながれるけど、年賀状には温かみがある。年末年始に帰省しづらいという人もたくさんいると思う。大切な人と年賀状を送り合って、つながりを感じていただければと思う」と語る。
 二宮さんは「年賀状は一生もののつながりの証。東京生まれで実家も東京。実家には、正月には帰っていたから年賀状を送ったことがない。今年は実家に初めて年賀状を送ってみようと思う。皆さんも年賀状を送ってみては…」と新型コロナがまん延した今年ならではの初の試みを披露した。
 相葉さんは今年、年賀状を送りたい大切な人として、アメリカ人歌手の「ブルーノ・マーズ」さんを挙げた。嵐の楽曲“Whenever You Call”の楽曲を制作し、プロデュースも手掛けた人。マーズさんには年賀状を通じて、「ありがとう」の気持ちを伝えたいのだという。
 二宮さんは「友人」。「遠くにいて会えない人も多くいるので、変わらずよろしくお願いします。というメッセージを送りたい」と話す。
 一生もののつながりについて二宮さんは「やっぱり嵐だと思う。嵐のメンバーとは10代前半からずっと一緒だから」。「僕もその質問に答えたかった。もちろん、嵐ですよ」と相葉さん。
 嵐は今年いっぱいで活動を休止し、来年からはグルーブとしてまとまった活動は難しくなるが、年賀状を出すことで一生つながれる。セレモニーでは、そんなメンバーへの想いも語られた。
 嵐として6年間務めた年賀状コミュニケーションパートナーも今年で卒業となる。この6年間には、メンバー全員が出演するCMやオリジナル年賀状の発売もあった。年賀状の販売開始や引受開始のイベントにはメンバーが必ず出席し、年賀状の良さやすばらしさを語ってくれた。

“コロナ禍で会えない人へ”
年賀状の新たな需要に期待

 日本郵便によると、今年の年賀状引き受け開始前の状況は、「販売枚数は前年並み」だという。 メガヒットしている劇場アニメ「鬼滅の刃無限列車編」(10月16日公開)を題材にした「鬼滅の刃年賀はがき」(3枚入り・税込660円)は12月14日現在で、約71万パック(約213万枚)と好調な売れ行き。キャラクターデザインの年賀はがきでは過去最高を記録した。
 年賀状作成のための特設サイト「郵便年賀・jp」のアクセス数は、開設された10月29日から11月30日までは、ほぼ前年並みの1000万PVだったが、12月に入り、1週間で約400万PVと前年を10%も上回る状況だという。郵便局の年賀状印刷も好調で、Webによる申し込みは前年の10%増し。
 新型コロナの影響で巣ごもりが続いた今年は、顧客行動にも変化があった。日本郵便によると、年賀状の購入者の中には「コロナ禍で会いたいのに会えない人に年賀状を出したい。これまでは年賀状を出していなかったが、今年は年賀はがきを出そうと思う」という人もいた。新たな需要が期待される。年末年始の外出自粛要請やGoToトラベルの一時停止などにより、帰省を諦めるざるを得ない人が増えることも予想される。
 日本郵便では「年賀の販売を大きく押し上げるところには至っていないが、例年、12 月の声を聞いてから年賀の需要が高まる。年末までの2週間は非常に期待している」と引き受け開始後は勝負の2週間となる。年賀はがきの減少傾向に歯止めがかかることに期待を寄せている。


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