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2021年1月11日 第7074号

【主な記事】

新たな成長へ第一歩
創業150年 元旦配達出発式


 年賀郵便元旦配達出発式が1月1日、全国で行われた。元旦に配達される年賀はがきは前年比89.9%(1.3億枚)の11億5700万通(1人当たり約9通)。「新型コロナウイルス感染症により、会いたくても会えなかった人に年賀状を出すといった個人の需要増は期待されたが、法人需要の落ち込みをカバーできる程ではなかった」という結果。前年並みの約1割減の減少幅となった。

 東京では郵便発祥の地・日本橋郵便局(八木裕昭局長)で出発式を行った。新型コロナウイルスの感染防止策の一環として、太鼓の上演や地元小学生によるイベントは中止するなど、規模を縮小しての開催となった。
 式には日本郵政の増田寛也社長、日本郵便の衣川和秀社長、東京支社の荒若仁支社長、八木局長、来賓として武田良太総務大臣、徳茂雅之参院議員、佐々木祐二総務省郵政行政部長、山本泰人中央区長、押田まり子中央区議会議長らが出席した。
 まず、八木局長が「1871年・明治4年にこの地に駅逓司と東京の郵便駅所が設けられ、今年は150年を迎える。先人たちが雨の日も風の日も1通1通、大切に正確にお届けしてきた。その積み重ねが今日の郵便局の信頼の土台になっている。創業当時の精神に立ち返り、お客さま本位の取組みに努めることこそが信頼回復の第一歩。年賀状に込められた温かい気持ちを元気な笑顔でお届けしたい」と式辞を述べた。
 増田社長は「創業150年に当たる今年は、社員全員が改めて先人が築き上げてきた事業の軌跡を振り返るとともに、新たな成長に向けた第一歩を踏み出す年としたい。年賀状を心待ちにしているお客さまに安全第一に届けてください」とあいさつした。
 来賓を代表して武田総務大臣は「年賀状を心待ちにされているお客さまに、1通でも多く元旦にお届けするため、早朝から頑張っておられる皆さまに感謝申し上げたい。郵便は先人が残してくれたかけがえのない財産。地域の生活インフラであると考えている。昨年は郵便法を改正。また、新しいデジタル時代に向けた郵政事業・郵便局のあり方についても検討している。地域に貢献し働く社員が誇りに思う将来像を日本郵政グループの皆さまと共に考えていきたい」と祝辞を述べた。
 この後、局内に設置された“にほんばし”の渡り初めが行われた。青木孝弘・第一集配営業部長の「エンジン始動」「出発!」という威勢の良い号令に合わせて、郵便マークの旗が振られると、江戸時代、明治5年(創業時)、同14年、同20年当時の制服姿の郵便配達員、自転車、バイク、EV車が次々と“にほんばし”を渡り、配達先に向かった。
 新型コロナウイルスの影響で、会いたくても会えなかった友達や家族に差し出す新たな需要、人気劇場アニメ「鬼滅の刃無限列車編」のメガヒット、人気アイドルグループ「嵐」の活動休止により、オリジナル年賀はがきの販売が増えたことなど、プラス要因が働き、年賀状引受通数は昨年12月23日の時点で約3億枚・前年比104.2%となった。
 年賀状引受は、歯止めが掛かるかに思えたが、その後は連日約10%ずつ前年を下回り、結果的には元旦の引受数は、昨年の落ち込み幅と同程度となった。日本郵便では「個人は新規需要により持ち直したものの、法人の落ち込み幅が前年より大きい」とみている。


【年賀郵便物元旦配達物数】
 全国11億5700万通(2020年12億8700万通)対前年比89.9%▽北海道5700万通(6500万通)88.8%▽東北7000万通(7700万通)91.0%▽関東1億4700万通(1億6300万通)90.3%▽東京1億3200万通(1億4800万通)89.0%▽南関東8300万通(9200万通)90.1%▽信越4000万通(4300万通)91.6%▽北陸4000万通(4400万通)90.7%▽東海1億4100万通(1億5900万通)88.5%▽近畿2億1700万通(2億4000万通)90.4%▽中国7500万通(8100万通)91.7%▽四国3700万通(4100万通)90.3%▽九州1億1300万通(1億2700万通)89.1%▽沖縄500万通(600万通)87.2%


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