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2021年2月15日 第7079号

【主な記事】

総合科7期生42人が入校
[郵政大学校]初のオンライン研修


 日本郵政本社(東京都千代田区)で1月26日、日本郵政グループ各社のフロントライン等から総合職コース転換試験に合格した42人の「総合科研修生第7期生」入校式が行われた。これまでは郵政大学校(東京都国立市)の講堂で全員を集めて行われていたが、今回は新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、研修生の現所属先等と本社の会議室とをオンラインで結んで行われた。

 郵政大学校は1965年に創設。前身となる逓信官吏訓練所(1943年設置)の時代から優秀な人材を数多く輩出してきた後、2011年4月に新たな形で再スタートしている。今回の研修では、日本郵便21人、ゆうちょ銀行9人、かんぽ生命12人が難関を突破した。
 実践的な研修を通じ、総合職社員として日本郵政グループの一体感醸成を図ると同時に、フロントラインと本社の風通しを良くしていこうということが目的。総合職社員として活躍するために必要な知識や能力を習得するとともに、パソコンの実務、マーケティング、経営戦略、コミュニケーションなど多岐にわたる研修が、11日間にわたり行われる。
 入校式には藤本暁校長、牧田裕子副校長を始め、日本郵政の牧寛久人事部長、日本郵便の根岸一行常務執行役員、ゆうちょ銀行の櫻井重行常務執行役、かんぽ生命の松田紀子常務執行役が出席した。
 式辞で藤本校長が「歴史を遡ると1952(昭和27)年には、既に本社(本省)で働くためにフロントラインから選抜された社員の研修が始まっている。以来70年の時を経て、2011年に郵政大学校が再開校してからは約210名、今回は総合科第7期生として42名の前途有望な皆さんを迎えられたことを心から歓迎。今年度の研修はオンラインで行うが、例年以上の内容で皆さんを迎えられるよう準備をしており、多くを学んでいただきたい」と研修形式について説明した。
 また「昨年度来、日本郵政グループは『創立以来最大の危機』とも言える非常に厳しい環境にある。業務改善計画に基づき地道に改革を行っているが、未だ『道半ば』が正直な感想。今すべきことは、グループ経営理念に立ち返り『信頼を礎としてお客さま本位のサービスを提供する』こと。当たり前のことだが、これが十分できていなかったことが、危機をもたらしたと言っても過言ではない。信頼を少しでも回復するために、フロントラインでも本社でも、また会社を問わずそれぞれの立場で行うべきことがある」と厳しい経営環境について説明。
 そして「皆さんはこの激動の時期に研修を受けることとなるが、一方で新たな再生の中でチャンスも生まれる時期でもある。さらに、リアルとデジタルの融合が重要なキーワードになる。新鮮な力が本社に必要で、私たちも皆さんと心を一つにして、『お客さま本位』という経営理念を改めて見つめ直せるような研修にしていく」と強調。
 「郵政創業150周年を迎えるが、日本郵政グループはまだ立て直せる。『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のために良かれと願う心を常に持てよ』という前島密の心情を忘れず、『すべてをお客さまのために』を合言葉に、皆さんの活躍・連携がグループ一体となった新しい経営に繋がるよう期待する」と述べた。
 さらに、総合科研修の意義について「これまでの職場での経験を生かし、グループ各社で総合職として活躍してもらうための合同研修。研修を受けられるのは、送り出してくれた職場を始め、全国40万社員、さらにはお客さま一人ひとりの支えがあることを深く心に留めるとともに、同じように総合職を目指しながら志を実現できなかった仲間たちの思いも胸に研修に臨んでほしい。本社で活躍してもらうための密度の濃い研修となるが、健康に留意し、むしろ楽しんでほしい」と激励した。
 祝辞で牧人事部長は「グループは創立以来最大の危機にある。数々の不祥事でお客さまの信頼を失った。情報化の進展や低金利の継続で経営状況は厳しい」とし、「信頼の回復、成長分野の開拓」にグループ一体で取り組むことを強調。
 「本社とフロントラインの近さ、各社の強い連携が必要。フロントラインでの経験を生かし、本社とフロントライン間、各社間の距離を縮める役割を果たしてほしい。期間中は成長の喜びを感じられるように、主体的に参加し、多くを吸収してほしい」と述べた。
 続いて、全員がスクリーン越しに自己紹介をした後、研修生を代表して、かんぽ生命の青木一真さん(本社新契約部)が「本社で働くために必要なマインド、知識、スキルをしっかりと身に着け、当事者意識を持って一人ひとりが自立し、自ら考え、自ら行動する社員になれるよう精一杯努力していく。グループの強みを生かし、変革を進めていくことが求められている。全国から集まった42人が一丸となり、微力ながらもその一翼を担っていく」と決意表明した。
 研修は2月18日までの間、オンラインで行われる。郵政大学校ではコロナ禍以降、オンライン研修の経験を積んできた。グループワークやチャット機能などを使い、豊富な意見交換の機会を設けるという。
 総合科研修を通じ42人の連帯感が生まれることが期待され、4月からは新任地でそれぞれの力を発揮して郵政事業の明日を担うことになる。
【総合科研修第7期生(敬称略)】
〈日本郵便〉▽赤塚萌(近畿支社)▽石戸涼雅(信越/箕輪局)▽一條美沙(関東支社)▽小野山輝(九州/別府春木局)▽軍司直希(関東/友部局)▽佐藤敬次郎(九州支社)▽佐藤翼(関東/蕨塚越局)▽下田美紗季(東京/日本橋局)▽庄司匠(北海道/本厚岸局)▽菅原幸亮(東北支社)▽杉木大輝(近畿支社)▽春原宏紀(本社)▽滝川昌平(四国/高松南局)▽寺崎章太(九州/佐賀中央局)▽中村晋太郎(九州/伊万里局)▽浜田知佳(東京支社)▽原佑輔(東京/王子局)▽藤原勇紀(東北支社)▽前川佐也子(関東支社)▽宮島良輔(本社)▽山田恵理(南関東/横浜浅間町局)
〈ゆうちょ銀行〉▽秋吉麻帆(東京/杉並店)▽浅野美帆(東京パートナーセンター)▽小倉瑛美(関東エリア本部)▽金田瑞穂(関東/高崎店)▽藤本修平(関東/桶川店)▽二上大修(近畿/池田店)▽向恵理子(東京パートナーセンター)▽山下大輔(九州/北九州店)▽湯澤美穂(本社)
〈かんぽ生命〉▽青木一真(本社)▽芥川恭子(本社)▽足立太佑(東京契約サービスセンター)▽岩間智佳(本社)▽植村和麻(仙台事務サービスセンター)▽小谷一貴(本社)▽金子千夏(本社)▽菅野元気(本社)▽竹内孝志(近畿/大津支店)▽田中恵梨(関東/さいたま支店)▽地村貴浩(東北/秋田支店)▽三尾泰史(仙台コールセンター)


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