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2021年3月1日 第7081号

【主な記事】

安心・安全なまちづくりへ
茅野市内郵便局 茅野市、警察署と協定


 信越支社(栁澤明彦支社長)は、長野県茅野市内郵便局、茅野市および茅野警察署との間で、郵便局ネットワークを活用した住民の安心・安全な暮らしの実現、地域経済活性化などに寄与することを目的として、3者間による包括連携に関する協定を締結し、2月15日茅野市役所で締結式を行った。

 締結式には、日本郵便から信越支社経営管理部の宮本稔担当部長、長野県南信北部地区連絡会の森山金孝副統括局長(豊平)、茅野郵便局の高橋浩明局長、諏訪東部会の大澤浩司部会長(ちの本町)、向山博行局長(原)、茅野市からは今井敦市長、柿澤圭一副市長、山田利幸教育長、伊藤弘通総務部長、茅野警察署からは櫻井伸一郎署長、落合美華生活安全課長、青沼正悟交通課長らが出席した。
 締結は日本郵便から茅野市へ働きかけた際、警察署も巻き込んだ連携の提案を受け、郵便局側が茅野警察署へ積極的に働きかけて実現した。協定の主な連携事項は①安心・安全な暮らしの実現②地域経済活性化③未来を担う子どもの育成④その他、地方創生―に関することとなっている。
 茅野市内郵便局はこれまでにも、市とは災害時の相互協力や高齢者、子ども等の見守り活動について協定書を、また、警察署とは業務用車両の子どもを守る防犯活動に関して覚書を交わしている。今回、過去のものを見直し、さらに範囲を広げ、3者が一体となった協力締結に合意した。
 伊藤総務部長から締結の経緯について、また、信越支社管内では初めての締結であり、全国的にも珍しいとの説明があり、その後3者で調印した。
 調印後、大澤局長は「今まで3者は様々な協力体制を築いてきた。協定はこれから先の時代に対応できる大きなもの」と、今井市長、櫻井署長をはじめ関係者に感謝を述べ、「内容は安心・安全など幅広い内容となっている。協定をしっかり活かし、市民のより良い暮らしを支えていく。今年は郵政創業150周年を迎え、郵便局にとって特別な1年である。『いつでも、どこでも、だれにでも自由に利用でき、明るく豊かな暮らしを支える』という創業の精神は、郵便局員の中に脈々と生きている」と強調。
 そして「締結することが目的ではなく、協議を重ねながら一つひとつ実現していく。郵便局の配達網と立地を活かし、活用し未来に向けて市民の役に立てるよう邁進する」と決意を話した。
 櫻井署長は「近年は防犯だけでなく、特殊詐欺被害・交通事故など高齢者を守る活動、災害対応・事件事故に伴う被害者支援、子どもの健全育成など広範囲にわたる活動が必要となっているが、警察だけではできるものではない。地域行政の中心の茅野市と、配達などで隅々まで網羅し、地域住民の窓口となっている市内郵便局が協力してくれることは、この上なく心強い。必ず地域の安心・安全に貢献するものと確信している。締結を機に、将来に向けてこれまで以上に安心・安全な茅野市を築き上げ、地域経済の活性化、地域創生に貢献していく」と話した。
 今井市長は「現在は見守られる側の高齢者がますます増え、より一層の強固な連携が求められている。お年寄りが免許を返納できる体制の構築と便利に動けるために社会実験をしているが、この問題は行政だけでは対応できない。郵便局は市民とのかかわりが深い。3者が一体となった新たな時代への対応に期待している。この連携を機に3者の関係が今まで以上に強固となって、市民にとってより安心・安全なまちが作れることを期待する」と述べた。
 茅野市は人口5万5000の長野県南信地方(諏訪地域)で最大の自治体。八ヶ岳、白樺湖、蓼科、車山などの高原リゾート観光資源を多く抱える観光都市であるとともに、精密業を基盤とする工業都市でもあり、また、パセリやセロリといった高原野菜の農産地として名高い。
 現在1期目で間もなく着任2年目となる今井市長は、全国の自治体が抱える共通の問題に立ち向かうため、「第二次茅野市地域創生総合戦略」を策定し、「人が行き交うまち」「便利なまち」「活力のあるまち」「安心・安全なまち」「産業が生まれるまち」を切り口に、まちの将来を担ってくれる「若者に選ばれるまち」の実現を目指している。
 また、AIやIoT(モノのインターネット)等の最先端技術を活用し、10年先、20年先の未来を見据えた事業展開を進めることにより、市民が安心して暮らすとともに、さらに茅野市を知り、訪れ、そして働き、移り住むという人の流れをつくり、将来に夢や希望が持てる魅力あふれるまちを目指して取り組んでいる。この協定で市がより一層活性化することが期待される。

 ステッカー貼付 出発セレモニー
 締結式に続き、さっそく連携協定の第1弾として、郵便車両と市公用車への「安心・安全パトロールステッカー」を貼付し、出発するセレモニーが、市役所中庭で行われた。今井市長、櫻井署長、大澤局長が一緒に、郵便車、郵便バイク、公用車へ順にステッカーを貼付した。ステッカーを貼付した車両は、司会者の掛け声で出席者の盛大な拍手を受け一斉に出発した。


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