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2021年6月14日 第7096号

【主な記事】

名前が不明でも配達
「特別あて所配達郵便」を試行

 日本郵便は6月21日から1年間、住所の記載だけで配達できる新サービス「特別あて所配達郵便」の試行を実施する。名前がわからない場合でも配達できるのが特徴。NHKの受信契約をしていない人に申込書を送付することを想定して考えられたサービスで、本格サービスまでに利用ニーズを把握し、汎用性のあるサービスにしていく。
 通常の郵便物は、名前と住所が配達原簿と一致しなければ配達できないが、特別あて所配達郵便を利用すれば、住所だけで名前が書いてなくても配達する。
 同郵便料金は1通200円。定形郵便物料金(25グラム以内・84円)またははがき料金(63円)に付加される。利用するには「受取人の名前が記載されていない」「料金後納」「差出予定局に年間1000通以上の郵便物利用を申し出たうえで、内訳票を出す」「郵便物に定めた内容を記載する」などの条件を満たす必要がある。封筒などに記載しなければならない内容としては、転送不用、差出人の住所・氏名、問い合わせ先、「特別あて所配達」という文字など。料金後納や封筒差出人を明記することで、利用者が確定できる。
 このサービスは、武田良太総務大臣の「NHKの受信料徴収費用を削減するため、日本郵便とNHKが連携してできることはないか」という提言を受けてのもので、両者は昨年から検討を進めてきた結果、考え出された。
 日本郵便は「NHKの利用だけでなく、広く他の事業者にも使ってもらいたい」としており、本格サービスでは、利用者のニーズや要望を取り入れた新たなサービスにしていきたいという。
 NHK以外に、エリアを決めて配布するサービス「タウンプラス」もあるが、新サービスでは更に対象を絞った形の調査での利用も可能という。
 試行サービスでは、郵便約款の変更は総務省への届け出で済むが、本格サービスには認可が必要となる。認可までには、情報通信行政・ 郵政行政審議会での審議やパブリックコメント、答申を経ることになる。


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