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2021年8月30日第7107号

【主な記事】

緊急避難場所ステッカー
近畿で初 京都府城陽市のポストに


 京都府城陽市と市内の郵便局が連携し、近畿初の取組みとして市内33か所の郵便ポストに、災害発生時の指定緊急避難場所を周知するステッカーを貼付した。昨年の10月6日に「城陽市と城陽市内郵便局との包括的連携に関する協定書」を締結しており、それに基づく取組みの一つ。

 7月27日に城陽市役所前ポストで、奥田敏晴市長と市内9局の局長らが参加して貼付式が開催された。奥田市長は「先の熱海の土石流被害を見ても、市民に安心・安全な生活を営んでいただくことの大切さを痛感している。郵便局は地域の住民の皆さんのことを長年にわたり理解されており、ポストを活用して災害時の避難場所を広くお知らせすることに協力いただけることは、大変心強い」と高く評価した。
 城陽市は京都府南部にあり人口約7万7千人。約3分の1の東部が丘陵地帯、その他の約3分の2が平地。幸いにも近年は大きな地震・洪水などの災害に見舞われていない。
 市内45か所の指定緊急避難場所は、地震や洪水など大規模災害が発生した場合、真っ先に身を寄せる重要な場所となるが、市民の多くが発生した災害の種類によりどこに避難したらいいのか浸透していない状況にあるという。
 昨今の集中豪雨・土砂災害・地震など予期せぬ大災害のニュースを目の当たりにして、市民の防災意識の高まりがある今、いざという時の避難場所を周知することができないかと城陽市の企画課と山城地区連絡会(小西収統括局長/下狛)の大山龍示総務担当副統括局長(城陽今堀)、北村善康地域担当局長(城陽富野)が協議を重ねた。
 京都市が郵便ポストに観光案内の表示ステッカーを貼付していることにヒントを得て、ポストを活用し最寄りの指定緊急避難場所を示すステッカーを貼付するアイデアを考え出した。包括連携協定の締結に尽力した平松亮市議会議員の協力も得て、市議会でも了承。今年度予算にステッカー作成費用を計上してもらうことによって、近畿2府4県で初となる取組みを実現することができた。
 ステッカー貼付場所については、城陽市の危機防災対策課と協議し、市内45か所の指定緊急避難所を基点とし、市内72か所のポストの中から駅前や郵便局前など比較的利用者の多い最寄りの33か所を選定した。
 また、耐久性のあるビニール素材を使用したA6サイズのステッカーを作成し、①洪水②大規模な火事③土石流④がけ崩れ・地すべりが発生した場合、近くの避難場所が利用できるかを「〇」「×」で分かりやすく表示した。見えやすいようにポストの左右それぞれの側面上部に貼付するなどの工夫も凝らした。
 今回は、手始めとして33か所だが、今後はすべてのポストを対象とすることや、市の危機防災情報サイトが整備され次第、QRコードを表示し、リアルタイムで防災情報にアクセスできるようにする等のバージョンアップを計画している。
 市内郵便局は「一連のステッカーの取組みと同時に、市内全郵便局の入口付近に災害対策基本法の改正に伴い内閣府が作成したポスターや、市内のハザードマップを掲示しており、来局したお客さまとの会話を通じ、防災に関する話題や情報を提供、市民への防災意識の醸成に一役買っていくことによって、地域との連携感を強化し、郵便局の存在意義を一層高めていきたいと考えている」としている。
 貼付式には、城陽市から奥田市長、本城秋男副市長、平松亮市会議員ら、日本郵便からは大山副統括局長、北村地域担当局長、安居初代局長(城陽)、大槻常司局長(城陽平川)、上西巧局長(城陽長池)、飯田衛局長(城陽寺田)、川上義明局長(青谷)、乾信文局長(城陽平川西)、本岡信之局長(城陽深谷)ほかが出席した。


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