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2021年9月6日第7108号

【主な記事】

特殊詐欺被害の防止へ
兵庫県丹波市内郵便局 警察署と協定

 


 兵庫県丹波市内郵便局と丹波警察署は「特殊詐欺等の被害の防止に関する連携協定」を8月10日に締結した。
 丹波警察署で行われた締結式には、兵庫県摂丹地区連絡会の川上昌彦統括局長(川西向陽台)、土居一人局長(丹波)、丹波西部会の宮下欣也部会長(葛野)、丹波東部会の余田紀章部会長(前山)、蘆田浩明局長(成松)、丹波警察署の大谷誠司署長、幸福雄亮生活安全課長、小林龍夫生活安全課警部補らが出席した。
 大谷署長と市内郵便局を代表して丹波西部会の宮下部会長が調印した。
 連携項目の内容は以下の通り。
①郵便局は日常業務を通じて、特殊詐欺等の発生またはその前兆に関する情報を得たときは速やかに通報。②警察署は前号の規定による通報を受けたときは、速やかに適切な措置を取る。この場合において郵便局の業務に支障を及ぼさないよう配慮する。③警察署は、特殊詐欺等の被害の防止に資する情報その他利用者の安全に係る情報を随時郵便局に提供するとともに、郵便局が行う特殊詐欺等の被害の防止に関する研修会、街頭活動等に講師、職員等を派遣するなど必要な支援を行う。④警察署は、必要に応じて、郵便局の配達車両に貼付する啓発ステッカー、公報チラシ等特殊詐欺等の被害の防止を啓発するために必要な物品を郵便局に提供する。⑤警察署と郵便局は協力して、郵便局の利用者が特殊詐欺等の被害を受けないための環境を整備する。⑥その他、警察署と郵便局が協議して合意した地域安全に関することを行う。

 啓発ステッカー 集配車両に貼付
 その後、郵便局車両に貼付された啓発ステッカーのお披露目が署内駐車場で行われた。啓発ステッカーは、丹波郵便局の集配用車両(軽四輪)22台全てに貼付され、8月10日から丹波市内全域で走行し啓発をスタートしている。
 兵庫県内の詐欺被害は、令和2年(1~12月)は認知件数1027件、前年同時期との比較ではプラス361件、被害額は約16億6千万円、前年同時期プラス約5億6千万円と、件数・被害額とも大幅に増加した。令和3年6月末時点では、認知件数407件、被害額約5億7千万円と減少傾向にあるが、予断を許さない厳しい状況となっている。
 丹波市内で今年は被害が確認されていないが、8月9日現在で14件の相談が寄せられており、予断を許さない状況となっていることから、丹波署では「油断大敵 家族・地域の絆で特殊詐欺防止」と呼びかけている。
 警察署の生活安全課は「窓口に来られるお客さまに引き出し理由を聞くと怒り出す人もいる。今回の連携で、特殊詐欺防止を警察と連携していることを話せるので、聞きやすくなる」としている。
 大谷署長は「特殊詐欺被害防止に関する郵便局との連携協定は、兵庫県内で初。協定に基づき、大型の啓発シールを配達車両に貼って市内を走行しながら啓発に協力してもらえることで、市民の皆さまの防犯意識が大きく高まることを期待している。今後も協力していただける団体・企業を増やしていき、官民一体となって特殊詐欺の未然防止をしていきたい」とコメント。
 宮下部会長は「丹波市での被害は聞いていないが、地区内には伊丹市までがグループとなっていて、地区内でも特殊詐欺被害を聞いている。金融機関としてお客さまを守る立場から、今回の協定で安心・安全につながる」と述べた。
 今回の協定は、市内を走るバスや運送車両に貼付されているステッカーを見て、郵便局側から提案したもの。川上統括局長は「警察署との協定は兵庫県下で初めてだが、地区内の各市に広まれば」と期待を込めた。
 協定締結の郵便局は、丹波、市島、鴨庄、前山、美和、中竹田、黒井、国領、春日新才、春日部、大路、谷川駅前、山南小川、下滝、山南、山南和田、青垣、芦田、神楽、遠阪、柏原、石生、氷上市辺、葛野、幸世、沼貫、成松、氷上沼の28局。


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