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2022年3月14日第7135号

【主な記事】

警察署と地域安全連携協定
[兵庫県但馬連絡会]朝来部会・養父部会


 兵庫県南但馬警察署管内に所在する郵便局と兵庫県南但馬警察署(藍原達也署長)は2月10日、地域安全に関する連携協定を締結した。兵庫県但馬地区連絡会(織田恭平統括局長/竹野)の朝来部会(小出祐輔部会長/和田山本町)と養父部会(吉谷和彦部会長/伊佐)の19局、単独マネジメント局3局(八鹿・和田山・香寺郵便局=一部配達地域担当)の計22局が協力する。

YoutubeやケーブルTVで啓発

 ①特殊詐欺等の被害の防止②子ども・女性および高齢者の安全見守り活動③金融犯罪の被害の防止のための広報啓発活動など4本柱を据え、警察署と共同で作成した特殊詐欺の手口を啓発するYouTube動画配信を1月26日からスタートさせるなど取組みに注力している。
 2月10日に締結式が行われ、単独マネジメント局の尾林剛局長(和田山)が代表局長としてリモート出席。兵庫県但馬地区連絡会からは、朝来部会の小出部会長、養父部会の吉谷部会長、衣川誠一郎局長(大屋)、門間拓也局長(関宮)、鉈橋浩二局長(広谷)が出席した。
 現在、兵庫県内では特殊詐欺の被害が多発しており、但馬地域でも郵便局等の金融機関のATMを操作させ、騙し取る還付金詐欺や代金引換郵便物の送りつけ等が発生している。
 そうした状況下にあって、防犯協会も交え警察と郵便局で共同して被害防止に向けた取組みができないかと話し合いを重ねてきた。
 警察と郵便局が連携協定を締結し、最新の犯罪発生状況や手口等についての理解を相互に深めるとともに、一体となって取り組んでいくことで、特殊詐欺防止だけでなく、地域の安心・安全な暮らしの実現に貢献できるのではないかと考え、今回の協定締結に至ったという。
 協定による連携事項は①特殊詐欺等の被害の防止=相互に情報共有して犯罪の発生を未然に防ぐことや、警察の広報活動への協力、郵便局窓口での声掛けや防犯研修等の実施②子ども、女性および高齢者の安全見守り活動=各局の「子ども110番の家」への登録や、郵便配達時・局前清掃時の子どもや高齢者への見守り活動の実施等③口座開設時等における金融犯罪の被害の防止のための広報啓発活動=郵便局内への広報チラシの配架やポスターの掲示協力、警ら中等警察官による来局者への広報チラシの配布等④その他協議により合意した地域安全に関すること。
 協定概要を説明した門間局長は「今後の取組みについては、既に養父市内の郵便局で『Yabu郵Tube』として地域情報の発信をしており、そのチャネルを使って特殊詐欺の手口を実演した啓発動画シリーズを共同制作し、1月26日から配信を開始している。また、郵便局会議へ警察署の方も出席いただく等、意見交換の場を設けて、取組みを実効性あるものとしていく」と締めくくった。
 最後に、配信中のYouTube動画のPRムービーを上映した。管内の養父市と昨年9月27日に包括連携協定を締結した市内郵便局は、地方創生の一環として、近畿支社のYouTubeチャンネルで地域の魅力を情報発信(Yabu郵Tube)しており、今回はこのチャンネルを活用した。地元ケーブルテレビ(養父市ケーブルテレビジョン)でもこの動画を放送し、地域で広報啓発活動を行っている。
 協定書の署名が行われた後、朝来部会の小出部会長があいさつした。「兵庫県南但馬警察署と地域安全に関する連携協定を締結したことは大変光栄と感じている。郵便局はこれまでも、地域住民の安心・安全な暮らしの実現に貢献することが社会的使命と考え、地域の見守り活動や犯罪被害防止を目的とした啓蒙活動、高額出金時のヒアリング、ATMコーナーでの警戒活動等を行ってきた。協定を契機に兵庫県南但馬警察署と相互に連携し、また、郵便局の保有する機能と資源を最大限活用することで、さらなる地域貢献ができるのではないかと期待している」と述べた。
 続いて、藍原署長があいさつ。「現在、本署管内においては、市役所職員を騙って介護料の還付金があると電話をかけ、高齢者をATMに誘い出しお金を振り込ませる還付金詐欺の電話『アポ電』が増えており、実際に被害に遭われた方もいる。この手口は、犯人が電話で嘘のATMの操作方法を教えながら、被害者にATMを操作させる方法であることから、『電話をしながらATMを操作している方を見かけたら一声かける』『ATMでの携帯電話の通話はしない、させない』という水際対策が非常に重要で、そのためには金融機関との連携が必要となる」と現状を報告。
 「本日、管内郵便局との協定を締結して、官民一体となった取組みにより、還付金詐欺をはじめとする特殊詐欺の撲滅に向けて、また市民の方からの安全・安心な暮らしを守る活動を一生懸命取り組んでまいりたいと考えている」と語った。
 具体的な連携事項は以下の通り。
▽特殊詐欺等の被害の防止①情報の共有=特殊詐欺の発生またはその前兆に関する情報を得たときの速やかな情報提供・南但馬警察署員による朝来部会、養父部会会議への出席②各種広報活動=局内での広報チラシの配架協力・配達車両へのステッカー等の掲示協力・広報活動への協力③社員による声掛け等=高齢者等による高額出金時や携帯電話を使用しながらATMを操作するのを目撃した時等における社員の積極的な声掛けおよび警察への通報④社員に対する知識付与=社員に対する警察官による特殊詐欺防止に関する研修等の実施
▽子ども、女性及び高齢者の安全見守り活動①各局の「子ども110番の家」への登録②郵便配達時、局前清掃時における子どもや高齢者等への見守り活動の実施
▽口座開設時等における金融犯罪の被害の防止のための広報啓発活動①局内への広報チラシの配架およびポスターの掲示協力②警ら中等の警察官による来局者等への広報チラシの配布
▽前述の各号に掲げるもののほか、協議により合意した地域安全に関すること①警ら中等の警察官による郵便局への立ち寄りおよび情報交換
 協力する郵便局は、生野・生野新町・中川・梁瀬・山東柊木・新井・竹田・和田山本町・和田山大蔵・糸井・和田山・南谷・大屋・関宮・建屋・関宮外野・広谷・養父・伊佐・高柳・八鹿・香寺(香寺郵便局は一部配達地域を担当)の22局。


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