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2022年4月4日第7138号

【主な記事】

かんぽ新営業体制スタート
新医療特約の販売も開始

 かんぽ生命保険の新しい営業体制が4月1日にスタートした。日本郵便から同社に約1万2000人のコンサルタントと約1000人の内務事務社員が出向する。新医療特約「もっとその日からプラス」の取扱いも始まった。郵政民営化法の上乗せ規制が外れ、届出制になり初めての商品。千田哲也社長は「短期入院にも長期入院にも手厚い。新体制の下で自信を持って提案できる商品」と太鼓判を押す。新規契約は不適正募集が発覚する前の2018年度の半分程度を見込んでいるという。

 新体制では、コンサルタントは「お客様担当制」となる。営業目標は保有契約の純増を基本に、アフターフォロー、募集品質などを考慮する。千田社長は「数字だけを追い求める体制には決して戻らない」と決意を述べる。
 「人生100年時代、保険の力でお客様を支えたい」と、コンサルタントには保障性商品の提案できる能力を向上させるためのサポート体制も整える。千田社長は「お客様へのコンタクトを増やし、契約の継続率を向上させたい。アフターフローも充実させて、お客様のご家族ともつながりを大切にしていきたい」と信頼に力を入れる。
 新商品は保障性のニーズに応えるため開発した。医療特約では、入院一時金は従来商品(Ⅰ型)の4倍の20日、支払回数も初日と30日ごとで最大5回(I型は1回)に増やした。千田社長は「短期も長期も入院一時金を手厚くしており、治療費などを心配せずに安心して治療に専念してもらえる」と、この商品を提案した理由を話す。死亡保険と医療保険の設計の自由度も高めた。
 コンサルタントは、かんぽ生命とアフラック生命の保険商品を販売するが、終活や相続も取り扱う計画。知識の習得や社内資格を習得するための専門チームを設置する。
 新体制の始動に当たり通信文化新報は、課題について質問した。

■集約により拠点でカバーできないエリアもあり、サービス低下は起きないのか。
 集約は、経営とフロントを近づけしっかりマネジメントをして、社員を成長させることにある。集約によりサービスの低下が起こらないようにしたい。出勤時間やお客様のお宅までの時間がかかるということもあるが、サテライトとして近くの郵便局を使わせていただくことも考えている。
 郵便局の窓口では、従来通り説明や契約もできる。コンサルタントと窓口は領域を分けたが、窓口へのサポート体制も整え、連携していきたい。

■増田寛也社長から「営業の足が重くなっている」という話があったが、その原因は。
 活動量が落ちているわけではない。不適正募集でたくさんの社員が処分された。お客様への説明の中で「こういう説明をしたら後で処分されるのではないか」という不安があるのだと思う。これを解消しなければ前には進めない。
 過失と悪い行為を同列で扱うことが委縮の原因なら、多少の間違い(過失)があったとしても、頑張っていることを認める職場環境を作っていきたい。

■顧客の説明の録音については、不適正募集の調査で、納得できない募集人の意見があったが、納得できているのか。
 社員は前向きな気持ちで録音をしているのが実態。録音に加えてコールセンターからの電話と、重層的な確認に「やり過ぎ」という声も多く聞かれる。大きな事件を起こしお客様のご意向や募集人の状況の確認は必要だと思うが、簡素化は大事。お客様へのご負担を最小限にする形にしたい。中期経営計画期間中に実現していきたい。


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