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2022年5月2日第7142・7143合併号

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郵政記念日中央式典 3年ぶりに開催
[日本郵政]増田社長 時代に合わせて変化を


 第89回郵政記念日中央式典が4月20日、東京都千代田区の帝国ホテルで行われた。新型コロナウイルス感染症の影響で、3年ぶりの開催となった。総務大臣表彰や永年勤続表彰が行われ、関係者約300人が出席、長きにわたる郵政事業への功績を讃えた。郵政グループ全体の永年勤続表彰は、30年が9249人、20年が3566人。各支社では、地方式典や所属事務所式典が行われた。

総務大臣表彰8人、永年勤続30年9249人
 中央式典では日本郵政の増田寛也社長が「郵政事業は151年の長きにわたり、地域社会の発展に寄与してきた。この間に積み重ねてきたお客さまからの信頼は今日の日本郵政グループの礎となっている。身近で、何でも相談できる、やさしいという価値は失ってはいけない。一方で、時代や社会の変化に合わせて商品やサービスをより良く変化させていくことは必要」と強調。
 「前島密は当時の日本になかった新しい仕組みをどんどん取り入れ、日本の発展を導いた。前島が生きていれば、郵政事業の本質的な価値は維持しつつも大きく変化させていったことと思う。グループの最大の資産である郵便局を核にしながら、お客さまと社員の幸せを目指し、地域の自治体や企業と連携しながら、社会と地域の発展に貢献したい」とあいさつした。
 来賓の金子恭之総務大臣は「1世紀半の長きにわたり、郵便局は地域の拠点として大きな役割を果たしてきた。北海道での車座対話を通じて、包括事務受託など、郵便局と自治体の連携は人口減少に直面する地域には有効だと感じた。自治体と連携した地域住民へのサービスの確保やデジタル技術を活用した地域の課題解決など、郵便局の積極的な取り組みに期待している。総務省も郵便局での実証実験やデータの社会的な有効活用の検討を進めることを通し、支援していきたい」と祝辞を述べた。
 赤羽一嘉衆議院総務委員長は「ウイズコロナ、アフターコロナ社会は、国民の価値観が変わることが予想され、社会の在り方やビジネスモデルの変革を余儀なくされる。郵政グループも変化への適合にチャレンジし、民間企業として創造性、効率性を最大限に発揮しつつサービスを提供する。お客さまと社員の幸せを目指すという経営理念を実現し、引き続き社会の発展の一翼を担っていただくことを願っている」。
 郵政民営化委員会の山内弘隆委員長は「共創プラットフォームを目指し取り組みを推進していくことと思うが、社員の努力を一層実りあるものにするため、民営化がより良い形で発展することに全力で臨みたい」。
 日本商工会議所の三村明夫会頭は「100周年を迎え、『地域とともに、未来を創る』」をスローガンに掲げ、中小企業と地域活性化の強化を図る新しい時代を切り拓くこととしている。郵政グループと共通するのは、地域社会への貢献。商工会議所は郵政グループとの連携を更に強化したいと考えている」。
 経済同友会の櫻田謙悟代表幹事は「データ、AIの時代と言っても、お客さまに価値を与えるのは人。優しい、何でも相談できる日本らしい価値創造が源泉。日本らしい価値を体得している郵政グループの時代はこれからだと信じている。誇りを持って更なるイノベーションにチャレンジしていただきたい。経済同友会は新しい資本主義の実現に取り組んでいる。一緒に頑張ろう」と祝辞を述べた。


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