「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

2022年7月18日第7153号

【主な記事】

買い物支援で実証実験
[新潟県南魚沼市]郵便局物販サービスと連携


 郵便局物販サービスは7月4日、新潟県南魚沼市の上田地区19集落で移動販売実証実験を開始した。日本郵便と南魚沼市の包括連携協定のもと、越後上田郵便局(上村真也局長)を物流拠点に、株式会社ローソン(東京都品川区/竹増貞信代表取締役社長)と地元スーパーの株式会社はりまや(南魚沼市/安達辰也代表取締役社長)による共同事業として実施する。


 郵便局物販サービスが南魚沼市から医療のまちづくり実証実験(移動販売車運営)業務委託を受けての取組み。南魚沼市では高齢化が進んでおり、日々の買い物に不便を感じている住民の利便性向上と交流機会創出を目的とする。
 令和4年5月末現在の高齢化率は34.3%で3人に1人以上が高齢者となっている。南魚沼市は、事業の需要性、採算性、継続性について半年から1年かけて検証し、あわせて他地域への展開や他分野への拡大の可能性について検証する。
 4日に開催された買い物支援サービススタートセレモニーで、南魚沼市の林茂男市長は、他地域への拡大を行う考えを示した。また、事業概要説明を行った、同市U&Iときめき課の若井勉課長は「今回の事業を円滑に進めることで、他地域へ拡大したいと考えている。各行政区の皆さまからのご支援ご協力を賜りたい」と語った。
 具体的には、ローソンの移動販売車が19集落の各区長が選定した駐車場所で、ローソンの取扱商品を中心に、はりまや社の生鮮3品(肉・魚・青果)、総菜など約300品目を販売する。
 7月は毎週月曜日から金曜日まで、各集落に週1回約1時間程度の販売を予定している。8月以降は7月の実施内容を検討し、週2回の販売を希望する集落等の要望にも対応していく。
 同日、買い物支援サービススタートセレモニーが南魚沼市の上田農村環境改善センターで開催された。主催者側として、南魚沼市の林茂男市長、郵便局物販サービスの荒若仁代表取締役社長、信越支社の菊地元支社長ほかが出席した。
 来賓には、全国郵便局長会の青木進顧問(郵便局物販サービス前取締役会長)、魚沼地区連絡会の髙橋秀利統括局長(大割野)、白鳥亮局長(六日町)、南魚沼南部会の上村真也部会長(越後上田)、上田ふるさと協議会の上村敬喜会長、岡崎理香副会長、鈴木正文副会長(沢口区区長)、南魚沼市議会の塩谷寿雄議長、南魚沼市病院事業の外山千也管理者、はりまやの安達代表取締役、ローソンの垣内昇執行役員・開発本部副本部長、移動販売の対象となる各区の区長ほかが招かれた。
 また、魚沼地区連絡会の南雲徳壱副統括局長(六日町温泉)、細矢孝太局長(中之島)ほかが臨席した。信越支社経営管理本部経営管理部の栁澤順係長(地方創生担当)が司会を務め、荒若社長があいさつ。
 「林市長をはじめとする行政の関係者、日本郵便、はりまや、ローソンの協力を得ながら、ここまで漕ぎ付けることができ、感謝申し上げたい。地域の皆さまのためにしっかりと取り組んでまいりたい」と述べた。
 林市長は「待ちわびていた日を迎えた。地方創生が謳われて久しいが、今回の上田地区の皆さまの深いご理解と想いを共有していただけるところから、買物支援の事業を始めることができた。農協が経営する小売店が撤退した後、どのようにしたら良いかと考えていた際に、郵便局、郵便局物販サービス、青木顧問から『一緒に取り組めるのではなかろうか』と聞いた時に、本当に胸を突かれる思いだった」と振り返った。
 そして、「上田地区で始める当事業の成果を諸々見極める中で、他の市街地にも拡大していくようにしていかなければならないと思っている」との考えを示した。
 菊地支社長は「日本郵便と南魚沼市は、包括連携協定に基づき、地域住民の満足向上に資する取組みに努めている。新たな第一歩として買い物支援サービスを開始する。単なる買い物支援にとどまらず、地域の皆さまの交流の場として、さらに地域の見守り活動にも深く関わってくる有意義な取組みと考えている」。
 青木郵便局物販サービス前会長・全特顧問は「高齢者および買い物弱者の皆さんのために何かできないかと考えていた。林市長に相談をしたところ、このたびの買い物支援サービスのスタートの日を迎えることができた」と経緯を説明。
 「郵便局は南魚沼市と包括連携協定を締結、連携を密にしながら、市の施策の手伝いをしている。越後上田郵便局はサービスの拠点になったことから、郵便局は地域の活性化のためにしっかりやっているという証になると思う。皆さまから郵便局へのご愛顧を賜れば幸い」と締めくくった。
 続いて、郵便局物販サービスの野本久店舗事業部長、南魚沼市U&Iときめき課の若井課長から事業概要の説明が行われた。記念撮影の後、屋外へ移動し移動販売車両のお披露目となった。全員で出発を見送り、セレモニーを終えた。


>戻る

ページTOPへ