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2022年8月1日第7155号

【主な記事】

郵便ポスト取集を再開
震災から11年 福島県飯舘村の2か所

 福島中央郵便局(乙坂覚局長)は7月4日、郵便ポストの利用再開にあたり、佐須公民館(飯館村佐須)でセレモニーを開催した。乙坂局長、東北支社の浅野不二男地方創生担当専門役、飯館村の杉岡誠村長、菅野宗夫佐須行政区長、地域の人たちが参加した。また、高久商店(飯舘村比曽)の郵便ポストも再開され、乙坂局長、浅野専門役、杉岡村長、菅野義人比曽行政区長、地域の人たちが見守った。

 東日本大震災から11年を経てのポスト再開となった。杉岡村長は「この地域で、ポストの再開は嬉しく思っている。ひまわりも飾っていただき、心のこもったセレモニーに感謝申し上げる。ポストは村の復興の段階に合わせて、再開をしていただいている。平成31年4月、村の北東部の大倉簡易郵便局、令和元年6月に村の南東部の小宮簡易郵便局、そして本日、北西部の佐須のポスト、南西部の比曽のポストが再開し、一通りポストの再開ができた」と強調。
 また「携帯電話を持ちながら生活しているが、手紙など自分の文字で書いて出し、届けるということが郵便。そんな心を届けるポストの再開で、多くの方にお世話になった。楽しいふるさとを作っていきたいと考えており、そのきっかけとなればと思う」とあいさつした。
 乙坂局長は「飯館村は東日本大震災後、帰還困難地域に指定された。飯館村にあった24の郵便ポストが閉鎖され、避難指示が解除されるに当たって、現在は6か所のポストで取集している。今日2か所増えて、8か所のポストがオープンすることとなった」と述べた。
 そして「いろいろとご迷惑をおかけしたと思うが、村長からの依頼もあって、ポストも新しいものに交換をして設置した。この赤いポストがこの地域のシンボルとなればと思っている」と語った。
 菅野区長は「待ちに待ったポストが本日設置となった。私たちは原発事故により避難生活を強いられ、2017年に解除にはなったが、それ以降も家族や地域の人がバラバラになった生活が続いている。大事なのは通信網。今までポストがなく、封書・手紙での連絡に不便をきたしていた。関係する皆さんの努力によって、ポストをオープンすることができ感謝。このポストを良きパートナーとして、生活の再生に郵便物を友として活用していきたい」と期待を込めた。



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