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2023年09月18日 第7214・7215合併号
【主な記事】日本郵便 神奈川県と包括協定
郵便局ネットを最大限に活用
日本郵便は、神奈川県と9月4日に「連携と協力に関する包括協定」を締結した。神奈川県庁本庁舎で締結式が開催され、千田哲也社長と黒岩祐治知事が協定書を取り交わした。締結を機に、日本郵便の強みである郵便局ネットワークを最大限に活用して連携・協力を進めていく。今回の締結によって、南関東支社(山田亮太郎支社長)管内では県を含めた全自治体との連携協定締結が完了した。
神奈川県内では郵便局753局(簡易郵便局含めず)および約1万9000人の社員によりユニバーサル商品やサービスを提供しており、すでに県内の33市町村とは包括連携協定を締結している。神奈川県とは2009年に神奈川県不法投棄の情報提供に関する協定、2017年に地域見守り活動に関する協定を締結するなど、従来から密接に連携していた。
今後は、神奈川県が直面している課題に正面から向き合い、緊密な相互連携と協働による活動を推進し、地域ニーズに迅速かつ適切に対応し、県民サービスの向上および地域の活性化を図っていく。
協定書の署名に先立ち、黒岩知事があいさつに立ち「日本郵便とは、これまでにも見守りサービスや不法投棄など、さまざまな形で連携してきた。郵便局の幅広いネットワークを活用することによって、一人ひとりにきめ細かなサービスを提供できると思っており、大変心強い」とし、「当事者の目線に立った形での支え合いを実践する中で、今回の協定によって郵便局の皆さんが頼りになる存在となる。隅々まで血の通った行政ができるきっかけになると思っている」と期待を込めた。
千田社長は「郵便局はじめ郵政グループ全体に対して平素より格物なご厚情を賜り感謝。日本郵便、日本郵政グループは、郵便、貯金、保険の3事業の中核サービスはあるが、郵便局は地域のお客さま、地域の皆さまあってのものと考えている。そういう意味では、郵便局の存在意義や価値というものは、地域の皆さま、地域のお客さまとのさまざまな結びつきの中でできている」と強調した。
続いて「中期経営計画で謳う共創プラットフォームという通り、いろいろな形で住民の皆さまに対するさまざまなサービスを提供しているが、そうしたことを通じて、郵便局を愛していただき、われわれとしても一層しっかりとしたサービスを行うということに取り組んでいる。包括協定はまさに、郵便局ならではのさまざまなサービスを展開する礎というべきもので、大変ありがたく思っている」と述べた。
日本郵便からの出席者は、南関東支社の山田支社長はじめ、本社地方創生推進部の原田賢一郎部長、串田明彦主幹地区統括局長(横浜池辺)、神奈川県西北部地区連絡会の細谷勝利統括局長(相模原古淵)ほか。
具体的な連携事項は①共生社会の推進②子育て支援③観光振興④県政情報の発信・広報⑤その他社会的課題解決に資する取組み―に関すること。
〈共生社会の推進〉神奈川県が目指す「ともに生きる社会」の実現に向け、障がい者施設の入居者が日本郵便社員と一緒に郵便局の清掃作業および花壇の植栽等を行うことによって、地域住民と触れ合う機会を創出する。まずは秦野郵便局で9月開始に向けて調整しており、二宮郵便局も次の候補に挙がっている。
日本郵便は、認知症のお客さまが郵便局に来局した際に適切な対応ができるよう、認知症サポーターの養成に取り組んでおり、引き続き、積極的に認知症サポーターを養成するなど、認知症とともに生きる社会づくりを推進していく。
〈子育て支援〉神奈川県内の子ども向けに「手紙の書き方体験授業」を実施するほか、子育て世帯にやさしい取組みの推進に向けて協力する。
〈観光振興〉神奈川県の特産品・観光等に関連するフレーム切手の作製・販売を通じて幅広い世代へのPR協力を行う。
〈県政情報の発信・広報〉郵便局内における神奈川県のポスター・チラシ等の掲出や、一部の局で、神奈川県が作成した地域のPR動画を放映することによって、県政情報の発信を行っていく。
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