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2023年09月18日 第7214・7215合併号

【主な記事】

バスの定期・回数券を販売
全国初 北海道網走市の8郵便局

(右から)天野部会長、徳山局長、鷲尾統括局長、淨土支社長、小澤社長、水谷市長と網走バスの皆さん


 北海道支社(淨土英二支社長)は、網走バス株式会社(北海道網走市/小澤友基隆代表取締役社長)の委託を受け、同社が発行するデマンドバス(予約型のバス)の定期券と回数券を販売する。民間バス事業者との連携による委託販売は全国初となる。
 
 JPビジョン2025で掲げる『お客さまと地域を支える「共創プラットフォーム」の実現』に向け、市民の利便性向上を目的に実施するもので、市内の網走、網走大曲、呼人、網走南四条、網走北六、鱒浦、網走駅前、網走駒場の8郵便局で9月1日から来年3月31日まで試行する。
 8月29日、網走バスの主催で契約締結式が開催された。水谷洋一網走市長を来賓に迎え、淨土支社長、網走郵便局の徳山大局長、東北見地区連絡会の鷲尾勝彦統括局長(訓子府)、網走部会の天野悟志部会長(網走南四条)が出席した。
 小澤社長は「販売箇所が増えることにより、市民の皆さんがより利用しやすい環境になるのは間違いない。日本郵便の協力に感謝する。これからも地域の人々にとって住みやすく、発展していけるような取り組みをしていく」とあいさつ。
 淨土支社長は「バス会社からの委託で乗車券を販売することは全国初。地域のお客さまの利便性向上に貢献するとともに、郵便局のネットワークの価値を更に高めてまいりたい」と意欲を述べた。
 また、水谷市長は「将来にわたる持続可能な地域公共交通の構築が求められる中、網走バスが運行している予約型の〝どこバス〟は先進的。今回の締結は、さらに利用しやすく、住民サービス向上につながることであり、大変喜ばしい」と期待を込めた。
 市内を走る路線バスは、朝夕は通学・通勤・通院など一定の利用があるが、昼間帯は利用者が少なく、便数を減らして運行している。そのため、利用者からバス会社に対し、「便数が少ない、自宅からバス停が遠いので利用しづらい」などの声も寄せられている。
 網走市では、こうした現状や今後の更なる利用者の減少を踏まえ、時刻表や路線に関係なく、乗りたいときに行きたい場所まで予約することができ、運行状況で最も効率の良いバスが迎えに来るデマンドバス〝どこバス〟を令和2~4年度までの3年間を実証運行、今年4月1日から本格運行している。
 これまで、市内の乗車券販売所は2か所だったが、今回の受託で販売窓口が10か所に増える。利用しやすい環境とすることで、市民の利便性向上を図るとともに、利用者が減って路線の維持が難しくなっているバス会社にとっても、売り上げアップが期待できる。


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