「通信文化新報」特集記事詳細
2023年10月02日 第7216号
【主な記事】ファミリーマートの商品販売開始
住民の利便性向上
天津郵便局(千葉県)
飯能下畑郵便局(埼玉県)
日本郵便とファミリーマートが、経営資源を効果的に活用した取組みの一環として進めている協業で、千葉県鴨川市の天津郵便局で9月14日から、埼玉県飯能市の飯能下畑郵便局で9月21日から窓口ロビーに商品棚を設置、商品の販売を開始した。2021年10月29日に茨城県稲敷市の柴崎郵便局に商品棚を設置して以来となる。
9月14日に天津郵便局で行われた販売開始式では、ファミリーマート開発事業部の太田裕資副部長、日本郵便物販ビジネス部の坂井秀行担当部長ら関係者が多数出席して報道陣への説明とお客さま対応にあたった。
太田副部長は「双方の経営資源を有効活用し、相乗効果が生まれる」と、坂井担当部長は「このような取組みで買い物困難地域の役に立てれば」とそれぞれ期待を寄せた。
窓口ロビーに設置された商品棚は常温用2台と冷蔵庫2台で、約100種類を販売する。ファミリーマートのプライベートブランドを中心に菓子、缶詰、カップ麺などの比較的消費期限が長い常温商品と、もつ煮込み、ひじき煮、サラダ類など総菜の冷蔵商品など多様な品揃えだが、消費期限が短いおにぎりやパンなどの中間温度帯の商品の設置はない。
支払いは、天津郵便局では現金のみ、飯能下畑郵便局では現金とキャッシュレス決済も可能で、窓口が開いている平日の営業時間のみ利用可能。近隣にあるフランチャイズ店のサテライト店としての扱いで、商品の補充は週に2、3回母店の担当者が補充する。今後は利用状況や売れ行きを見ながら、補充する商品の品目や在庫数を変えていくという。
柴崎郵便局の開始から2年を経て、今回設置した理由は、半径1キロ以内に物販店がない場所など地域状況をリサーチし、双方で検討、調整してきたが、なかなか対象となる地域が見つからず、今回ようやく2店舗での販売開始にこぎつけたという。
天津郵便局では、佐久間博局長が販売開始を事前に近隣の利用者に周知していたこともあり、午前11時に販売開始となるや、多くの人が訪れた。
スナック菓子を買い求めた年配の女性客は「郵便局に来たついでに買物ができるので助かる」と、嬉しそうな表情を見せた。また、この日30個用意した菓子を詰め合わせた500円の福袋を購入した年配の男性は「郵便局でコンビニの商品が買えると聞いたので来てみた。以前からの野菜の無人販売も助かるが、今日から菓子や総菜も買えるようになったので、とてもありがたい」と話した。
佐久間局長は「地域の人が困っているという話を聞くたびに『何か地域貢献ができないか、地域住民の利便性が向上できることがないか』と常に考えている。2年前から始めた野菜の無人販売もその一環。今年開局150周年を迎えた天津郵便局の記念すべき年に、このような地域貢献ができて喜ばしい」と強調した。
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