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2023年10月09日 第7217号

【主な記事】

ソウルフード「鶏飯」を販売
鹿児島県奄美連絡会 障がい者を支援

浦上局でレトルト鶏飯をPRする皆さん。(左から)中島統括局長、河内さん、泉さん、向井理事長(画像提供‖南海日日新聞)


 郵便局の店頭で初めて発売された奄美のレトルト食品「奄美鶏飯」が、好調な売れ行きで、製造工場によると「製造が追いつかない」状況だという。
 製造しているのは、奄美市にある社会福祉法人三環舎(向井芙美理事長)が在宅障がい者の社会参加と自立を目指し、多様な福祉サービスを総合的に提供している「あしたば園」の加工場。
 2021年7月、世界遺産に登録された奄美大島は食文化も多様で、魅力ある食べ物が数多くある。なかでも、「鶏飯」は島のソウルフードとして奄美を訪れた観光客に人気がある。鶏肉、卵、シイタケなどを盛り付けたご飯に鶏ガラスープをかけて食べる贅沢なお茶漬けのような食べ物だ。
 地域の情報発信の場として、奄美の食品を島以外の地域に広め、地域の役に立とうと、鹿児島県奄美地区連絡会(中島秀一統括局長/東城)大島東部会の東洋一局長(浦上)は「郵便局の店頭で鶏飯を販売できないか」と模索していたところ、冷蔵・冷凍食品が多いなか、三環舎の鶏飯はレトルトパウチで常温保存ができると聞き、試食。そのおいしさに感動、加工場を訪問し、商品化にこぎつけたという。
 三環舎では2018年から鳥料理レトルトシリーズの鶏飯を開発、販売しているが、郵便局での販売に際し、オリジナルパッケージを作製。加工場でニワトリの加工を担当している泉健太さんが丼の中に「〒」マークをあしらったイラストをデザインした。
 また、卵焼きを担当している河内翔也さんは「売れていると聞き、うれしい。『仕事を頑張ろう』と意欲が湧く」と笑顔で応えてくれた。加工場は16人で、ほぼ全てが手作業で製造しており、好調な売り上げの一方「生産量を増やすのは難しい」と向井理事長はうれしい悲鳴だ。
 1箱290グラムで税込み630円。トッピングには定番の具材のほか、タンカンの皮が使用されている。奄美連絡会のほか福岡県北九州市地区連絡会、豊前地区連絡会内の258局で販売している。
 販売の中心となった東局長は「社会参加に取り組んでいるあしたば園の皆さんが、一つひとつ精魂込めて作っているので、応援したい」と強調。中島統括局長は「奄美群島以外での販売を通し、奄美を訪れるきっかけになれば喜ばしい」と期待を寄せた。
 また、同部会の永田橋郵便局(富裕平局長)、名瀬古田郵便局(岩切欣一局長)では、在宅障がい者が、地域店舗での職業体験を通じて自信や職業スキルを身につける支援をしている三環舎運営のカフェ&レストラン「夢来夢来(むくむく)」で提供している焼きたてパンの無人販売を約2年前から行っている。毎朝11時頃に焼きたてパンが届くと、待ちかねたように郵便局に来た人が買い求め、喜ばれているという。この支援活動も郵便局ができる地域貢献施策の一環と捉え、中島統括局長は「今後も継続して実施していく」と強調した。


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