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2023年10月16日 第7218号

【主な記事】

「グループ危機管理委」定例開催
経営環境の変化に迅速な対応

 民営化以来、日本郵政グループの危機管理を担う中枢機関として機能してきた「グループ危機管理委員会」が、今年度から定例開催化されることが明らかになった。日本郵政の増田寛也社長をはじめとする各グループの社長および副社長、危機管理担当役員がおよそ四半期毎に集い、グループ危機管理に関する議論に取り組む。
 
 リスク要因の複雑化等で
 現段階ではグループ危機管理委員会において、危機管理態勢に関する三つのテーマが取り上げられる見通し。一つ目は、グループ危機管理態勢の高度化について、二つ目は危機管理の運用面での課題、三つ目が自然災害以外のクライシス事象への対応。
 過去のコンダクト・リスク顕在化事案を踏まえ、従来から様々な対策を講じてきた日本郵政グループは今年度からクライシスマネジメントの高度化を目指すこととし、クライシス事象への対応の迅速化およびグループ危機管理委員会等を中心とした一元的なクライシスマネジメントに取り組んでいる。経営を取り巻く環境の著しい変化に加え、レピュテーショナルリスク等のリスク要因が多様化かつ複雑化していること等を踏まえた判断。
 グループのクライシスマネジメントを高度化する三つの施策のうち、「グループ内連携強化によるクライシスマネジメントの高度化」では、今回のグループ危機管理委員会の定期開催をはじめ、グループ内連携会議の設置等により、グループ内連携態勢の強化を図っていく。
 また、クライシスマネジメント統括部に、グループ危機管理委員会の事務局機能を恒常的に設置し、平時から様々な情報収集等に努める。これらの態勢整備により、各種訓練を企画・実施し、危機管理態勢の検証にも取り組んでいく。
 日本郵政クライシスマネジメント統括部の山下弘之部長は「顕在化を境にクライシス事象等の影響について、第三者委員会の設置等も含めて極小化を図っていく。自然災害も事前の防災、減災に務め、いざ発生した際にはその被害の極小化に努める。グループ危機管理委員会を中心としてクライシス事象ないしは危機を一元的にマネジメントしていこうということになったのが、4月にクライシスマネジメント統括部を設置した狙いの一つだ」と語っている。
 クライシスマネジメント統括部の設置によって、より広範囲のクライシス事象の予兆の把握および顕在化後の影響極小化のための初動対応等の一元化を実現していく意向。2022年度は、クライシス事象を認定するための考え方・基準、初動対応プロセスの手続・マニュアル等の整備を行った。
 2023年度は、新たにクライシス事象顕在化後の対応を整備することによって、さらなる危機管理対応の一元化を目指していく考えだ。


(用語解説)
レピュテーショナルリスク‖企業の評判に関するリスク。不測の事象や事態等により企業評価を低下させる風評が流れる可能性がある。大企業にとってレピュテーショナルリスクは企業の命運を左右することから、マニュアルを設けるなど対策・対応を徹底している企業は多い。


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