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2024年06月10日 第7252・7253合併号
【主な記事】地場産業の振興に協力
「南河原スリッパ」を取扱い
埼玉県北部連絡会
埼玉県北部地区連絡会(鶴間由行統括局長/行田須加)のエリアマネジメント79局と単独マネジメント7局の窓口で、5月20日から「南河原スリッパ」の単独チラシ配布と申込受付を開始した。
行田市の南河原地区では、農閑期の副業としてスリッパの生産が盛んとなり、最盛期の1980年には全国1位となる3153万足が生産されていた。近年の生産数の落ち込みをうけ、南河原商工会では2017年からプロジェクトチームを立ち上げ、スリッパ事業者と連携を図り、伝統の技術と形を生かした「南河原スリッパ」づくりを始めた。
アフリカやブラジルのカラフルな民族柄の生地などを取り入れ、履き心地を追求した職人の技を活かした丁寧な手仕事により誕生。PRを積極的に行い、受注数も順調に推移した。実績が評価され、2022年度の第62回商工会全国大会では、最上位の「中小企業庁長官表彰」を受賞した。
かねてから商工会とつきあいがあり、地域のために何ができるかを共に模索していた北埼玉西部会(小林智行部会長/行田若小玉)の渡辺和久副部会長(郵便・物販/行田駅前)が提案し、地場産業の振興に協力することになった。
大きな特徴のひとつが、申込時に①「アフリカ・パーニュ柄(レーヨン100%)」、「ブラジル・カンガ柄(綿100%)」、②サイズM(22・5~25・5センチ)・L(26~28・5センチ)③数量(1~2足/アフリカ・パーニュ柄はMとLの2足セット組みも可能)を選択した後、1足1足、柄の位置や配色が異なる、左右別の色柄のスリッパが届くこと。靴下や靴紐などをあえて左右非対称にするファッションを参考にしたという。
行田郵便局(池田和則局長)では、ATM近くの出入り口のガラス壁面内外に向けて、多様な柄のスリッパをずらりと並べて大きく展開。屋外へは「郵便局のネットショップ」に繋がる二次元コードを印刷したチラシを貼り、郵便局の営業時間外に見かけた場合でも注文ができるよう工夫している。
池田局長は4月に着任したばかり。「テレビドラマなどで、行田が『足袋蔵のまち』と言われている事は知っていたが、スリッパの生産については初めて知った。実際に手にして、想像よりもずっと軽くてさらっとした手触りに驚き、素晴らしい品だと思った。自分へのごほうび、お土産、新築のお祝いなど、多様な提案ができるのではないか」と熱意を込める。
商品のピッキング、発送まで一貫して「郵便局ロジサービス」で請け負っており「局の皆で『お届け先、お客さまに喜んでいただけますように』と思いを込めてピックアップと箱詰めをし、お届けしている」。
10月31日までの申込期間中に約1か月ずつ、連絡会内の単マネ6局に商品ディスプレイが巡回する。「『あなたの町の郵便局』として、地元に根付いて発展を支えようという強い思いがある。エリア、単マネを問わず協力、連携していきたい」と意欲を語った。
南河原商工会経営指導員の佐野和美さんは「埼玉県で一番小さい商工会。プロジェクトチームのメンバーや地域の皆さんの力を借りながら、一生懸命やってきた」。渡辺副部会長からの提案に「以前からお付き合いがあり、我々や南河原スリッパの歴史についても良くご存じの方なので、すっかり安心して進めることにした」と話す。
「最近移住してきた人だけでなく、長年住んでいる人たちも意外と南河原スリッパを知らない。様々な年代の方が訪れる郵便局での大々的展開は周知にもつながるし、地域の人に喜ばれるのではないか」。また、郵便局の主な利用者層であり、携帯端末の利用が苦手な世代から商工会にかかってくる電話への対応で時間をとられてしまう事も多く、郵便局窓口での注文へ誘導できるメリットは大きいという。
「地域や県内の事業発展、地場産業の力になりたいという気持ちは、郵便局の方々と共通している。新たなアピールになることを期待している。これからもコラボする機会が続けば有難い」と笑顔で結んだ。
渡辺副部会長は「左右や部位の色柄をあえて切り替えたデザインにしたことで、カラフルかつ『組み合わせとの出会い』、箱を開けた時の驚きを楽しんでいただける商品。鮮やかな極彩色と柄が夏の贈り物にもぴったりだと思うし、履き心地をぜひ体感していただきたい。これからも魅力ある県産ブランド商品の紹介や販売を通じて、地域の盛り上げに貢献していきたい」と抱負を述べていた。
1足4800円、2足セットは8600円。価格は送料・消費税込。郵便局窓口のほか、インターネットで「郵便局クイック注文」を検索、またはスマートフォン等の端末からチラシの2次元コードを読み取り、商品番号入力での申込も可能。商品についての質問、問い合わせは、南河原商工会(048―557―0742/月~金曜日9~17時)まで。
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