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2024年08月12日 第7261・7262合併号
【主な記事】忘れないということが大事
能登で復興支援
細矢孝太局長
石打郵便局(新潟県)
被災した石川県能登地区を支援しようと、日本防災士会の新潟県支部が6月4日から7日にかけて珠洲市でボランティアキャンプを実施した。一般社団法人南魚沼防災士活動センターを通して、新潟県南魚沼市から細矢孝太局長(石打)が参加して支援に汗を流した。
被災した石川県能登地区を支援しようと、日本防災士会の新潟県支部が6月4日から7日にかけて珠洲市でボランティアキャンプを実施した。一般社団法人南魚沼防災士活動センターを通して、新潟県南魚沼市から細矢孝太局長(石打)が参加して支援に汗を流した。
南魚沼防災士活動センターは昨年夏に設立され、市内の局長全員が入会している。細矢局長は、魚沼地区会の中若委員や信越地方会の中若代表として災害支援を行った経験を持つ。
活動を開始する6月4日の前日には震度6の大きな余震があり、ボランティアセンターが全面休止になった。再開する目処は不確実だったが、思い切って決行したところ、ボランティアセンターはオープンしていたという。
4日に到着し、早速ボランティア活動が始まった。壊れた家にはいろいろなものが散乱していた。細矢局長らは、ガラスや釘など危険なものもあるので、注意しながら作業した。被災者が居宅している中での作業なので、被災者への声掛けや労いを怠らなかった。それも被災地支援に行くボランティアの役割だからだ。メンバーは、多くの被災者の話に耳を傾けることで心のケアを試みた。
被災した住宅の家財の運び出しや、津波の被害による土砂のかき出しや側溝の泥上げも行った。側溝の泥上げ作業には慣れているものの天候に恵まれたお陰もあり、気温が高く熱中症に注意しながらの作業となった。新潟県防災士会の仲立ちによって交流のできた珠洲市内の小学校の生徒たちに、県産品の笹団子をたくさん持参して元気付けた。受け取った生徒たちは喜びを隠さなかったという。
現地の多くの宿泊施設が休止しており、金沢を拠点にボランティア活動を行うとなると往復に時間をとられ実質的な活動が限られてしまうため、現地でのテント泊・自炊となった。被災者用の仮設住宅のために自衛隊が設営した仮設風呂を借りた。ボランティアの使用も許可されており、2回利用した。細矢局長は、「自衛隊の風呂に入るという経験はなかなかないもの。被災者の置かれた境遇と自衛隊の地道な活動を肌で実感できた」と話した。
今回の防災士会の活動項目には現地視察も含まれていることから、4日目には、輪島市の朝市の焼け跡など現地視察を行った。ボランティアキャンプ実施時は、ちょうど公費解体が着手されたばかりのころ。元日の発災時に破損した建物の多くがそのまま残っており、細矢局長らは悲惨な状況を目の当たりにした。
細矢局長は、魚沼地区会の中若委員として、長野県北部での台風被害(令和元年)に5日間延べ25人で支援に向かったほか、新潟県北部豪雨(令和4年)による水害時には、信越地方会の中若代表(当時)として県内の中若100人以上に呼び掛け支援を行った経験を持つ。
信越での災害ボランティア活動時のこと。行くまでは大変だと思っていたが、実際に現場に行ってみると、何とかしてお役に立ちたいという想いが沸き起こるのを細矢局長自らも感じた。活動したことによって、ダイレクトに感謝されるという有用感に加え、「疲れたけれど活動して良かった」「体は疲れたけれども心は本当に満たされた」という声が多くの局長から寄せられた。
防災士という資格を持って活動していく中では、スキルアップにも繋がり、現場を見ることで防災意識の向上を図ることができる。細矢局長は、それぞれの地域で経験を活かし、広がりを持たせるきっかけになれば良いと思っている。
細矢局長の話=今年3月までの4年間、信越地方会の中若代表の立場から、局長としての在り方を考える中で、防災士には誰も疑いようのない存在意義があり、そこに対して何ができるのかという自問がありました。それが具現化したのが、長野北部、新潟北部での災害ボランティアでした。能登半島地震の時も、もちろん何かお役に立ちたいと思いました。しかし、発災当時はボランティア支援ができる環境ではありませんでした。
3月に中若代表の職を離れ、6月にボランティアキャンプに参加することになりました。魚沼地区郵便局長会(髙橋秀利会長/大割野)の理解を十分に得た上での参加でした。ここには何か関わっていきたい、そして、まずは自分で行ってみないと分からないという思いがあったのです。本当に得難い経験でした。
平日4日間局を守ってくれた社員には非常に感謝しています。部会の局長の皆さんにもご理解頂き感謝しています。息の長い支援をしていくという郵便局長会の方針を尊重しつつも、自発的な助けに期待するところがベースとしては大事だと思っています。相当の時間を要する復興であるため、県単位あるいは地区会で気持ちのある会員ができる範囲で、できることをしていくということが重要だと思っています。忘れないということが大事。これからも関わっていきたいと考えています。
今回は平日に3泊4日の支援活動ということもあり、参加者本人や職場への負担が大きいため、他の賛同者を誘うのを慎みました。自分が行って来て「良かった」だけで終わらせたくない。今回のボランティアキャンプの参加によって、いろいろとやり方が分かったため、今後は他の会員に「どうですか。一緒に活動してみませんか」と声掛けができれば良いと考えています。
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