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2024年09月02日 第7264号

【主な記事】

手紙コンテストやスタンプラリー
カフェや雑貨店と連携
ふみの日手紙イベントも
群馬県中部連絡会


 群馬県中部地区連絡会(黒岩伸一主幹統括局長/草津)の前橋市内46局の主催で「手紙でつながるコミュニケーション~手紙とカフェと郵便局と~2024」と題したイベントが行われた。
 6月1日から7月12日まで手紙コンテストの応募を受付け、7月23日のふみの日手紙イベントのステージで表彰。また、7月1日から8月30日まで、市内のカフェや雑貨店など5店舗を巡ると景品がもらえる「カフェ回遊ラリー」、市内46局でアンケートに答えてスタンプを集め、全局踏破で丸型ポストデザインの木製オリジナルトロフィーが贈呈される「郵便局スタンプラリー」を実施、多くの参加者があった。


 昨年6月「手紙を書く、出す、もらう機会が減っている昨今、手紙振興をテーマにしたイベントを」と考えた局長たちと市民らが中心となって企画を立ち上げた。9月の約1か月間、カフェ「MOO CAFE」、ビアスタンドと雑貨の店「イラストとビールとサンドイッチ 手紙舎前橋店」とコラボレーション。スタンプラリー、手紙をモチーフに県内の作家たちが作成した雑貨や文具の販売などを行った。
 予想をはるかに超える反響を呼び、実施したアンケートでは年代・性別の分布、郵便局への声などのデータも得られ、「1回で終わらせず、ぜひ継続したい」「次回は『文月(ふみづき)ふみの日』の7月23日に合わせたい」など強い要望が集まり、パワーアップしての開催が決定した。
 7月23日にショッピングモール「けやきウォーク前橋」内の広場「けやきコート」でイベントを催した。メインの「手紙コンテスト表彰式」以外にも、塗り絵・絵手紙など全4種のワークショップや、ぽすくま・ぽすみるく・ぽすらいむとの記念撮影、人気のアニメキャラクターたちの切手展示など、楽しい企画を用意、局長や社員が対応にあたった。
 「手紙コンテスト」は2部門、第57回手紙作文コンクールの対象となる市内小学生に、はがきで「特定の相手に自分の体験したことや考えなどを伝える手紙」、一般(作品形式自由)に「もう逢えない人に送る手紙」をテーマに募集したところ、500通を超える作品が寄せられた。会場内には色とりどりの応募作が並び、家族や友達と一緒に自分の手紙を探す児童のほか、文面や絵にじっと見入っている人の姿も。「MOO CAFE」オーナーでアナウンサーの青柳美保さんらが思いをこめて読み上げ、ラジオ番組のような雰囲気を演出していた。
 正午からの表彰式には黒岩主幹統括局長、大澤覚局長(前橋中央)、関口博文副統括局長(郵便・物販/沢渡)をはじめ、前橋市の小川晶市長、吉川真由美教育長らが出席。司会を務めた青柳さんが「市長賞」「教育長賞」「郵便局長賞」「前橋中央局長賞」を代読して紹介、賞状が授与され、大きな拍手が起こった。
 大澤局長は来場者と関係者へ感謝を述べ「手紙で心を伝えるという意味と素晴らしさを再認識していただく目的で、今年2月から企画し、着々と準備を進めてきた。ワークショップなど、時間の許す限りチャレンジし、手紙の良さを改めて知っていただく有意義な機会になることを祈念している」とあいさつした。
 「市長賞」に、亡き夫への思いをしたためた女性の手紙を選んだ小川市長は「お二人の大切な思い出がぎゅっと詰まっていた。タンスの中から昔の手紙が出てきたくだりなどは、手紙ならではの素敵なストーリー。今、メールやSNSなど、デジタルを利用して過ごしてしまいがちだが、思いがこもった手紙が見つかる、胸の中に残しておくというのはとても大事なこと。素晴らしい手紙で感動を分けていただいた」と総評。「教育長賞」は、弟へ「あなたが生まれた日がこの世界で一番嬉しかった」と書いた敷島小学校の6年生へ贈られた。
 「郵便局長賞」は、学校行事で花屋さんに行き、祖母の好きな真っ赤なバラをもらい「おばあちゃんに届けたいけれど、次に会いに行くのは夏休みなので、ハガキに描いて送ります。においも届くといいな」という気持ちと共に、大きなバラの絵を描いた天川小学校の3年生へ贈られた。
 黒岩主幹統括局長は多数の応募に感謝を伝え「良い作品がありすぎて、選ぶのに一苦労した。おばあちゃんの大好きなバラの花の絵を添えて、本当におばあちゃんのことが好きだということが伝わってきた。今後もおばあちゃんのことを大切にして、また、機会があったら手紙を書いていただきたい」と称えた。「前橋中央局長賞」は、祖母ヘ向け、県内小学校の行事で初めて飛行機に乗って沖縄を訪れた思い出を綴った荒牧小学校の5年生が選ばれた。
 市内小学校は20日から夏休みということもあり、平日開催ではあったが、表彰式終了後再開したワークショップやぽすくまたちとの記念撮影、また、柄沢孝義局長(前橋上新田)扮する「郵便博士」が活躍する「手紙の書き方教室」に、家族連れを中心に多くの人が訪れた。
 初回からの中心メンバーからは、手紙コンテストについて「小学生の部は、絵も字も個性的で、見ているだけで楽しかった。市の教育プログラムの一環として発展していく可能性も出てきたのではないか」「思わず笑顔になったり、涙を誘われたりと多様な内容だった。改めて手紙の良さが実感できた」との感想が。イベントの盛況を喜び「全日程終了後に成果を振り返り、改善に繋げられたら」と、今後の継続についても意欲を示していた。


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