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2024年09月16日 第7266・7267合併号

【主な記事】

ローカル共創イニシアティブ
東京初の物産展開催
「陽と人」と連携
地域と都市を繋ぐ

 買い物客で賑わった都内初開催の物産展。右から2人目が藤原さん。奥が浅野撚糸の販売コーナー=東京中央局


「物流の 2024問題」「CO₂排出量削減」「地方創生」などの課題解決の一助を担おうと、日本郵政、日本郵便、JR東日本各社と業界の垣根を越えたサプライチェーンの構築に取り組んでいる株式会社「陽と人」(ひとびと、小林味愛代表取締役)が、8月に都内で物産展を初開催した。2017年8月に福島県国見町で誕生した同社は、地域資源を活用して地域と都市を繋ぐ様々な事業を展開している。同社には、日本郵政の「ローカル共創イニシアティブ」の一環として、本社事業共創部から藤原勇紀さんが出向している。
 桃の生産で有名な国見町では、規格外で市場に出回らずに廃棄される桃もかなりある。陽と人は、独自の物流システムで輸送コストを削減して首都圏に出荷し、求めやすい価格で提供することで規格外農産物を無駄にせずに売る仕組みづくりを行っている。
 また、商品になる途中で廃棄されるあんぽ柿の干し柿の皮を研究して美容に有効な成分を抽出、世界で初めて原料化した女性専用コスメブランドも立ち上げた。
 陽と人の物産展は、8月22、23日に日本橋南郵便局(加藤博局長)で、8月24日に東京中央郵便局(宮本明局長)で開催され、1967年創業の世界初の撚糸工場で業界トップの浅野撚糸株式会社(岐阜県安八町)が参加した。
 浅野撚糸は、昨年4月に復興と周辺の雇用創出を目的として双葉町に特徴的なデザインで話題を呼んだ新工場「フタバスーパーゼロミル」を建設、同町を代表する糸やタオル製品を日本だけでなく世界に発信している。
 陽と人の藤原さんは、国見町の匠の技で栽培されたこだわり生産者限定の「桃」と「アロマスプレー」を販売。浅野撚糸からは経営戦略室の山下一郎社長補佐、天岡覚次長らが、世界初の〝特殊な糸″「SUPER ZERO®」を使って作られた魔法のタオル「エアーかおる」をはじめとした世界最高水準の技術とノウハウを詰め込んだタオルなどを販売、吸水性・速乾性・耐久性に優れた自社オリジナルのタオルを訪れた人に積極的にPRした。
 藤田さんによると「東京では初めての開催であったため当初売れ行きが心配だったが、3日間で用意した桃250キロは完売。アロマスプレーの関心も高かった」という。また、浅野撚糸のタオルも素材の良さが関心を引き、多くの人が買い求めた。
 「ローカル共創イニシアティブ」では、公募により選出された日本郵政グループ会社本社に所属する若手や中堅社員を、経済の活性化、関係人口創出、自治機能の維持・向上などに貢献するサービスに精力的に取り組んでいるベンチャー企業や地方自治体に2年間派遣し、新規ビジネスの創出などに取り組んでいる。


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