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　過去最多の９人が出馬した自民党総裁選が９月２７日に投開票され、決選投票の結果、石破茂元幹事長が２１５票を獲得し、１回目で１位になった高市早苗経済安全保障担当大臣に逆転して新総裁に選出された。
　石破氏は１０月１日に行われた衆参両院本会議の首相指名選挙で第１０２代、６５人目の内閣総理大臣に選出された。その後、宮中で内閣総理大臣の親任式と国務大臣の認証式が行われ、石破内閣が発足した。

　村上誠一郎総務大臣は１０月２日に開かれた就任会見で「能登地域の大雨の被災住民と自治体をしっかりと支援したい。防災力を強化し国民の安全・安心の確保に努めたい。総務省は国民生活に密接に係る。国民の声にしっかりと耳を傾け、政策を着実に進めて結果を出していけるよう、緊張感をもって職務に臨みたい」と語った。
　郵政事業については「郵政民営化の成果を国民が実感できるよう、日本郵政グループによる利用者の利便性の更なる向上と企業価値の向上、郵便事業の持続可能性と確保等の取り組みを後押しする。社会を支える基盤として、郵政事業や行政相談などの取り組みはデジタルを活用して着実に進めていきたい」としている。
　総理から受けた指示について、「国、地方の共通デジタル基盤の整備」「デジタルＤＸによる行財政改革」「人口急減地域への支援強化への取り組み」「被災した自治体の救済救援を万全にする」「災害に強い地域づくり」「ＮＴＴ法の廃止を含めた制度の在り方の検討」「公的統計の総合的品質向上」などに取り組むことを挙げた。省庁をまたぐ課題については関係大臣と協力して進めていくよう指示があったという。
　地域に対しては「過度な東京一極集中は、少子高齢化、過疎化が進む地域ではいろいろな問題が起きている。地方こそ成長の主役という発想に基づき、取り組みを進めたい。持続可能で活力ある多様な地域社会、一人ひとりの暮らしを支えるために取り組んでいきたい」と抱負を語った。
　村上氏は、国会議員歴約３８年のキャリアの中で、主に行財政改革や地域再生、教育・外交の立て直しなどに取り組んできた。
　【プロフィール】東京大学法学部卒。愛媛２区。河本敏夫元通産大臣などの秘書を経て、１９８６年７月の衆院議員選挙で初当選。２００５年９月からの小泉第２次内閣と続く第３次で国務大臣（行政改革・構造改革特区・地域再生担当）・内閣府特命大臣（規制改革・産業再生機構担当）、２０１２年衆議院政治倫理審査会会長、自民党関連では、愛媛県連会長、地域再生調査会会長ＩＴ・行政改革推進・国民生活利便性向上・経済活性化プロジェクトチーム委員長地方分権・地域活性化特命委員会副委員長、労働力確保に関する特命委員会最高顧問などの要職を歴任。自民党総裁選では石破茂氏の推薦人を務めた。
　石破衆院議員　２８代自民総裁
　自民党の石破茂総裁が１０月１日に開かれた臨時国会で第１０２代首相に選出され、自民・公明の連立による石破内閣が発足した。
　８月１４日の記者会見で岸田文雄首相が自民党総裁選挙に立候補しない意向を表明。これに伴い９月１２日に告示された総裁選には、過去最多となる届出順に高市早苗衆議院議員〈経済安全保障担当大臣〉（６３）、小林鷹之衆議院議員（４９）、林芳正衆議院議員〈内閣官房長官〉（６３）、小泉進次郎衆議院議員（４３）、上川陽子衆議院議員〈外務大臣〉（７１）、加藤勝信衆議院議員（６８）、河野太郎衆議院議員〈デジタル大臣〉（６１）、石破茂衆議院議員（６７）、茂木敏充衆議院議員〈幹事長〉（６８）の９人が立候補した。
　郵政事業に関する政策として、小林氏は「重要な役割を果たす郵便局ネットワークの維持等に向け、日本郵政グループのあり方を再検討」、林氏は「地域の振興の郵便局ネットワークを活かすために、郵政民営化法の改正を行う」、加藤氏は「郵便局の利活用推進など、住み暮らし続けられる地域を実現」などを訴えた。
　９月２７日に開票された総裁選は決選投票となり、石破氏が高市氏を抑えて第２８代総裁となった。
　これを受け、１０月１日に召集された臨時国会では衆参両院で首班指名選挙が行われ、石破氏を内閣総理大臣に選出。石破首相は直ちに組閣に取り組み、石破内閣の発足となった。
　また、与党の公明党は９月２８日に党大会を開き、８期１５年務めた山口那津男代表（７２）が退任し、石井啓一幹事長（６６）が新代表に就任した。代表の交代は１５年ぶりとなる。
　これに先だち、立憲民主党でも９月３日の告示で代表選が行われ、野田佳彦衆議院議員〈元首相〉（６７）、枝野幸男衆議院議員〈前代表〉（６０）、泉健太衆議院議員〈代表〉（５０）、吉田晴美衆議院議員（５２）が立候補。９月２３日の開票ではこちらも決選投票となったが、野田氏が枝野氏を抑え代表に就任している。