「通信文化新報」特集記事詳細
2024年11月11日 第7274号
【主な記事】仙台で全国女性郵便局長の集い
「絆 共に未来へ」スローガンに
「第15回全国女性郵便局長の集いin東北」が10月18日、東北地方女性郵便局長の会「さくらの会」(加藤理子会長/長根)の主催によりホテルメトロポリタン仙台で開催され、全国から女性郵便局長374人が参加した。「絆 共に未来へ」をスローガンに、2018年の京都大会以来、6年ぶりの開催となった。第一部の集いでは、来賓を代表して長谷川英晴参議院議員と全国郵便局長会の末武晃会長があいさつ、村井嘉浩宮城県知事のメッセージが代読された。有限会社たかはしの髙橋和江代表の特別講話、元サッカー女子日本代表の澤穂希さんのトークショーが行われた。第二部の懇親会では、東北支社経営管理本部の八巻秀雄本部長、東北地方郵便局長会の三浦寿明会長があいさつ、全国郵便局長会の犬童周作相談役はビデオでメッセージを伝えた。また、東北地方ゆかりのアトラクションが披露された。
開会に先立ち、東日本大震災から10年を経た2021年に日本郵政グループが作成した動画「復興への歩み」が流され、東日本大震災や1月の能登半島地震をはじめとする自然災害で犠牲となった方々に黙祷を捧げた。
福島県・郡山虎丸町郵便局の長澤美紀局長と福島県・三本松郵便局の遠藤美由紀局長の司会でスタートした集いは、福島県・安達郵便局の吉田由美子局長が開会を宣言。さくらの会を代表し、加藤会長が「全国の皆さんからたくさんの支援と愛を東北に送っていただき、頑張ることができた。復興した東北をどうぞ楽しんでいってください」とあいさつ。
そして「この集いは15回の間、多くの女性局長の思いを乗せてタスキを引き継ぎ、全国で開催されてきた。本日は、前回準備されていたが、コロナ禍で開催できなかった信越地方女性郵便局長あじさいの会の皆さんに大勢参加いただいている。私たちはあじさいの会の皆さんの思いも引き継いで開催している。これからも出会いとご縁に感謝しながら、お互いが切磋琢磨し、成長し合える集いであるように心から祈念する」と述べた。
来賓紹介の後、長谷川参議院議員があいさつし、「自民党総裁選では9名もの候補者が立候補したが、ほぼ全員が郵政事業、郵便局ネットワークの大切さを強調した。この10年、20年の間に、地方に行けば行くほど疲弊し、財政的にも人的にも非常に厳しい状況に陥っている。こうした中で、『郵便局と連携して地域の住民サービス、公的サービスを守っていきたい。そのお手伝いをお願いしたい。郵便局長の力を借りたい』という思いは、かつてないほど大きくなっていると思う。地域、国にとって郵便局・郵政事業が必要であるならば、それが持続できるような組織のあり方や国の財政支援などを定める必要がある。現在進められている郵政民営化法の改正はそうした考え方を基本にしている。法律成立に向けて全力で頑張っていくことをお約束する」と述べた。
続いてあいさつに立った末武会長は、元日の能登半島地震で被災した輪島市と珠洲市を4月に視察したのに続き、追い打ちをかけるように能登半島を襲った9月の豪雨による被害状況視察のため、10月中旬に再び能登半島を訪れたことを報告、「大谷局は半分以上が土砂に埋まったままの状況で再開の目処が全く立たない。東日本大震災の時と同様、能登の復興に向けて私たちはしっかりと目を向けていかなければならない」と強調した。
日本郵政グループ、郵便局を取り巻く厳しい環境については、「8月に発表された日本郵便の2024年第1四半期の連結決算は、前年度の同期と比べて276億円のマイナス、純損益が182億円の赤字となった。郵便・物流事業の営業損益が減収に加えて、人件費などの経費の増加で赤字幅が294億円に拡大した」。
また、「郵便局窓口事業についても、銀行、保険の手数料の減少が継続して、営業収益は34億円減少し、営業利益が減収に加え、経費の増加により40億円の減益と極めて憂慮すべき状況になっている」。
「一方、少子高齢化が加速しており、厚生労働省が発表した令和5年の人口動態統計によれば、昨年の合計特殊出生率は1.20まで下がり、過去最低を更新した。国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、日本の人口は2056年に1億人を割り込み、2070年に8700万人に減少し、65歳以上の割合が38.7%に達する」と語った。
また、郵便局の現場での深刻な要員不足を指摘したうえで、「今後、どのように労働力を確保し、国民共有の財産である郵便局ネットワークを維持していくのかが非常に重要な課題であり、そのポイントの1つが、女性局長、女性社員の皆さんに活躍していただける環境の整備だと思っている」と述べ、本年度全特の基本的かつ重要な事項を担当する基本問題専門委員会のもとに、女性会員の活躍を推進するPTを設置し、まもなく第1回の会合を開催すると説明した。
そして、「不易流行」の理念のもと、激変する社会環境を的確に受け止め、将来の状況を見据え、思い切った意識改革により、郵便局ネットワークを激動の時代にふさわしいものとしていくことが必要だと強調し、郵政民営化法改正について次のように述べた。
「郵政事業、郵便局ネットワークを取り巻く環境は極めて厳しい状況にあるが、このような状況に適切に対応していくためには郵政民営化法の改正が必要不可欠である。日本郵政と日本郵便の統合、金融2社の株式の保有継続、金融2社の上乗せ規制の緩和、公共サービスの本来業務化、国による財政支援措置などを盛り込んだ郵政民営化法の改正案成立を我々は熱望しているが、先の通常国会では様々な要因があり、提出されなかった。
本日ご臨席を賜っている長谷川英晴先生、そして柘植芳文先生、山口俊一先生、国定勇人先生などが中心となり、早期成立を目指し、自民党内さらには与野党の先生方にも精力的に働きかけを行っていただいている」
また、来夏の参議院議員通常選挙の組織内候補として、自民党の第一次公認候補者となった犬童周作全特相談役について、「郵政事業に造詣が深く、情報通信分野にも通じている。求められる最適な人材だ。現在、全国各地を訪問し、精力的に意見交換を行っていただいている。ぜひ来年の夏の戦いではさらに大きな成果を得て、国政に郵便局長の声が反映できるよう、取り組みを強化したい。皆さんにもご支援をお願いしたい」と呼びかけた。(2面につづく)
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