「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

2025年01月20日 第7284号

【主な記事】

創業の精神を心に刻み
新宿郵便局 年賀郵便元旦出発式

来賓らに見送られて配達に出発


 2025年の年賀郵便元旦配達出発式が1月1日、全国の郵便局で一斉に実施された。東京では昨年まで実施されていた日本橋郵便局が再開発事業により移転したことに伴い、19年ぶりに新宿郵便局(東京都新宿区)で行われた。出発式には、日本郵政の増田寛也社長、村上誠一郎総務大臣らが出席。盛大な和太鼓の演奏から始まり、増田社長のあいさつ、村上総務大臣の祝辞、時代衣装をまとった郵便局社員による年賀状配達などが行われた。元旦に配達された全国の年賀郵便物は4億9100万通で、対前年比66.0%となった。

 出発式には増田社長をはじめ、日本郵便の千田哲也社長、高橋文昭東京支社長、榎本晃司新宿郵便局長、来賓として村上総務大臣、阿達雅志総務副大臣、長谷川英晴総務大臣政務官、竹内芳明総務省事務次官、牛山智弘総務省情報流通行政局郵政行政部長、吉住健一新宿区長、ひやま真一新宿区議会議長の他、警視庁、東京消防庁などからも多数の出席があった。
 式典は「和太鼓グループ彩―sai―」の力強い和太鼓演奏から始まり、榎本局長は「本年は新宿郵便局が明治5年に『内藤新宿郵便取扱所』として業務を開始してから153年目を迎えた。私たちは日本郵便の父前島密の『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のためによかれと願う心を常に持てよ』という創業以来受け継がれた精神を心に刻み、これからも社員一同日本郵便の素晴らしさを世界に発信していく。1通1通に込められた温かい気持ちを日本古来の文化である年賀状にのせ、今日も元気な笑顔でお客さまにお届けする」と式辞を述べた。
 続いて日本郵政グループを代表し、増田社長が「日本郵政グループの中期経営計画では『共創プラットフォーム』を掲げ、自治体や他企業と連携しながら各種取り組みを進めている。全国2万4千の郵便局ネットワークは地域における役割がますます高まっている。日々の生活に役立つ身近な取り組みや地域を支える取り組みは、必ず地域の方々に共感いただけると考えている。これからも感謝の気持ちを忘れず、グループ全社員が地域のお客さまを支える存在になることを目指していく」とあいさつ。
 村上総務大臣は「電子メールやSNSの普及で年賀状を取り巻く環境も大きく変わっている。しかし、ぬくもりを感じられる年賀状は日本の文化でもある。郵便局の仕事は日本の文化を守る大切な仕事だ。全国2万4千の郵便局は地域の重要な生活インフラである。総務省は今後とも郵便局が地域に密着した存在となるよう一層支援していく」と祝辞を述べた。
 来賓によるテープカットが行われ、第一集配営業部の高橋裕貴部長の号令とともに、創業時の明治5年、14年、20年当時の時代衣装をまとった社員と、現在のユニフォームを着た社員が走ってスタートした。
 続いて、自動二輪車、電気自動車の順に、式典会場から屋外へと配達に出発した。
 時代衣装を着た配達員は、新宿郵便局近くのうどん店「三国一西口店(橋本光世代表取締役社長)」に配達。手渡しで年賀状を受け取った担当者は「年賀状は日本の伝統なので、これからも利用していきたい。年賀状をもらうと新しい年が始まった実感がして、SNSとは違う温かさが感じられる。新しい年を迎える新鮮な気持ちになった」と話し、2025年が明るい年になることを期待していた。


>戻る

ページTOPへ