「通信文化新報」特集記事詳細
2025年02月03日 第7286号
【主な記事】地域経済の成長を支援
ゆうちょ銀行 Σビジネス 三井物産と協業
ゆうちょ銀行は1月27日、三井物産株式会社(堀健一代表取締役社長)と共同事業者(パートナー)として協業することに合意したと発表した。ゆうちょ銀行の全国ネットワークと三井物産が有する商社機能や国内外のネットワークを生かし、共同で設立したファンド「エム・シグマ投資事業有限責任組合」を通じて地域の事業者の成長を中長期的に支援することで社会と地域経済の発展に貢献する。また、三井物産の商社機能を生かした投資を通じてGP業務を担う人材を育成する。
「エム・シグマ投資事業」は、ゆうちょ銀行の100%子会社「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社(水上圭代表取締役社長)」と三井物産の100%子会社「三井物産企業投資株式会社(後藤伸之代表取締役社長)」(MCPI)が共同で設立した、「エム・ワイ地域活性化合同会社(MY合同会社)」が運営するファンド。
ゆうちょ銀行は従来の「リテールビジネス」、「マーケットビジネス」に加えて「第3のエンジン」としてΣビジネスを2022年10月にスタートし、「ゆうちょらしいGP業務」の本格化に向け、共同事業者と投資ビークルを順次立ち上げている。2024年5月に100%出資子会社として新設した「ゆうちょキャピタルパートナーズ株式会社」を中核に、共同でGP業務を推進する計画だ。
今回の協業はΣビジネスの投資ビークルの一環である「成長投資・事業承継・事業再生」分野で三井物産と合意したもの。Σビジネスでは全国のネットワークを活用することできめ細かく地域の資金ニーズを把握し、中長期的な目線で事業者に資本性資金を供給し、投資先の成長・問題解決を支援する。
三井物産は中期経営計画2026の「Corporate Strategy」で、事業と地域の連携を通じ、多様なステークホルダーと産業横断的な事業の創造に取り組んでいる。ゆうちょ銀行と三井物産が互いの強みを持ちより、本ファンドを通じた投資活動や価値創造活動等に最大限活用することで、地域の事業者を支援していく。
同日に行われた報道発表には、ゆうちょ銀行地域リレーション部門の青野憲嗣執行役、ゆうちょキャピタルパートナーズの水上圭代表取締役社長、三井物産コーポレートディベロップメント本部の千歳敦子企業投資部長、三井物産企業投資の後藤伸之代表取締役社長が出席した。
青野執行役は、「三井物産との協業により、地域への貢献が見込まれる中堅企業、中小企業を対象とした投資をしていく」と述べ、「Σビジネスの理念に合う企業であれば、中長期的に支援する。三井物産の商社としてのマーケティング能力や、ノウハウ、ブランディングを学びながら、国内の企業価値を高めていく」と展望を語った。三井物産の千歳部長は「全国津々浦々にあるゆうちょ銀行のネットワークを生かし、日本社会が抱えている事業承継や事業再生の課題に取り組んでいく。お互いの強みを生かして共同運営していきたい」と述べた。
「エム・シグマ投資事業」はファンド総額約100億円、無限責任組合員はエム・ワイ地域活性化合同会社、有限責任組合員はゆうちょ銀行、設立日は1月27日、存続期間は10年間。
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