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2025年02月03日 第7286号
【主な記事】警察庁と情報連携協定
ゆうちょ銀行 特殊詐欺の防止へ
ゆうちょ銀行は1月17日、警察庁と「情報連携協定書」を締結した。全国警察を対象とした連携は国内で初めて。急増する特殊詐欺などの被害拡大防止や口座不正利用防止を目指す。
連携により、ゆうちょ銀行で実施しているモニタリングを通じ、詐欺被害に遭っている可能性が高いと判断した口座情報を、警察庁や関係する都道府県警察に迅速に提供する。都道府県警察は、ゆうちょ銀行が提供した情報をもとに被害の可能性のある口座保有者に接触を試みることで、被害拡大防止を図る。また、詐欺などに不正利用されている可能性が高いと判断した口座情報についても提供し、都道府県警察による迅速な犯罪捜査に繋げたい考え。
特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺の被害金の送金先として、銀行口座が不正利用される事象が発生する中、昨年8月23日には、警察庁と金融庁から、金融機関への要請「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」が発出された。
ゆうちょ銀行は、警察への情報提供・連携の強化が求められている状況に鑑み、今回協定書を締結し、特殊詐欺などの被害拡大や口座不正利用の防止を図ることにした。
ゆうちょ銀行の話=迅速な捜査と犯罪阻止のため、ゆうちょ銀行から警察庁に打診し、2023年度から調整を行っていた。2024年8月に警察庁と金融庁から金融機関宛てに、詐欺の可能性が高い取引を発見した場合、警察へ迅速に情報提供するよう要請があった(8月23日付「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」)ことから調整が加速し、今回の締結に至った。
ゆうちょ銀行は全国に支店を展開する金融機関であるため、警察庁と調整し、全国警察への情報連携について、警察庁を相手方として協定書を締結した。
個人情報保護法の観点からは、警察庁が関係機関に必要な確認を行っており、個人情報保護法に抵触しない範囲内で、情報提供を行っていく。提供後の情報の使用範囲などは、警察庁と取り決めのうえ、警察庁が都道府県警察へ適切な指導を行うよう定めている。ゆうちょ銀行本社一括で行うものであり、郵便局やゆうちょ銀行直営店などの窓口には関係しない施策となる。警察の捜査においては、通常通り、捜査関係事項照会で問い合わせてもらうよう、警察庁と取り決めのうえ、警察内部に周知してもらっている。
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