「通信文化新報」特集記事詳細
2025年03月10日 第7291号
【主な記事】
しなの鉄道「大屋駅郵便局」
開業1周年 地域のにぎわい創出へ
信越支社(大曽根和之支社長)と、しなの鉄道株式会社(長野県上田市/土屋智則社長)は2月24日、大屋駅・大屋駅郵便局(長野県上田市)の1周年記念イベントを開催した。遠方から訪れた人を含め、100人超が来場した。
大屋駅・大屋駅郵便局は、2023年3月3日に締結した包括連携協定(郵便局と駅の機能連携)に基づき、長野県のにぎわい創出に寄与することを目的とし、昨年2月26日に開業した。
開設が1896(明治29)年にまで遡るしなの鉄道の大屋駅は、地域の要望によって設置された日本初の請願駅。その新駅舎で昨年2月26日に、郵便局における駅業務の一体的な運営が開始された。
大屋郵便局が北東へ180㍍の大屋駅内に移転し、局名を大屋駅郵便局に改称してオープンし、局内での駅業務をスタートさせた。地域鉄道事業者との取り組みとしては初めて。
記念イベントは上田市の佐藤安則都市建設部長、大屋自治会長の矢島富士雄さんを来賓に迎え、しなの鉄道の土屋社長、大曽根信越支社長、東信地区連絡会の傳田彰統括局長(北御牧)、熊谷隆広局長(大屋駅)が出席したセレモニーで幕を開けた。
しなの鉄道経営戦略部営業課管理係の塚田祥子さんが司会を務め、最初に主催者を代表し土屋社長があいさつ。「開業から1年経過した。駅と郵便局が一緒になったという全国的にも先進的な取り組みということもあり、各方面から支援をいただいた。1年経って振り返ると、大屋駅、大屋駅郵便局を一緒に作るという取り組みが、ただ単に古い駅を新しくすることだけではなかった」と振り返った。
そして、「一緒になることによって、地域の皆さんの利便性が向上し、駅周辺の賑わいが創出され、地域の活性化に繋がることを目指した。1年が経過して、まだまだ十分とはいえないと思っているが、次の1年さらに次の1年と、しっかりと取り組むことによって、地域が徐々に発展していくことを願っている」と述べた。
大曽根支社長は「昨晩前泊されたお客さまもいらっしゃるそうだ。本日の記念式典に出席をいただき本当にありがたい」と感謝の意を表し、「郵便局と駅の合築は、地方鉄道事業者としては初めての事例。日本郵便は地域とお客さまのために日々努めている。地域が生き生きとし、郵便局のお客さまも便利になることを考えると、合築は、われわれが目指すひとつの姿。これからも、地域とお客さまのために努めてまいりたい」と語りかけた。
来賓を代表して、上田市の佐藤都市建設部長があいさつ。「大屋駅は、地域の皆さんの熱意により請願駅として設置をされた。その後、バスやタクシーも乗り入れる交通の要衝として、重要な役割を果たしてきた。老朽化にともなう建て替えに当たり、郵便局も併設されるということで、全国的にあまり類のない取り組みとなった」と紹介し、「大屋駅を中心ににぎわいが創出されることを願っている」と締めくくった。
続いて、フレーム切手「大屋駅・大屋駅郵便局開業1周年記念」としなの鉄道の「大屋駅入場券セット」の贈呈式が行われた。大曽根支社長がフレーム切手を土屋社長に、土屋社長が記念入場券セットを大曽根支社長に贈った。
フレーム切手の台紙は、開業1周年として、駅舎を中心にデザイン。切手の意匠は、しなの鉄道の電車と四季折々の風景をマッチさせたものとなっている。
記念入場券セットは、日本郵便がデザインした大屋駅オリジナル駅名標の台紙付き。
終了後、下りのホームに移動し、大屋駅オリジナル駅名標のお披露目式が執り行われた。信越支社経営管理本部経営管理部事業共創担当の栁澤順係長が司会を務め、大曽根支社長と土屋社長が、白布で覆われた駅名標を除幕すると、盛大な拍手が沸き起こった。
10時半から大屋駅郵便局で、フレーム切手や大屋駅入場券セットを販売した。また、響珈琲によって信州発芽珈琲の販売も行われた。約80人が局外まで列を作って買い求めた。
東信地区連絡会の傳田統括局長は、「今日は晴天に恵まれ本当に良かった。しなの鉄道の土屋社長のあいさつにもあったが、1年間どうだったのかと考えると、まだまだ出来ることはたくさんあると思うので、地域の意見も聞きながら取り組んでいければ幸い」と語った。
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