「通信文化新報」特集記事詳細
2025年09月15日 第7318・7319合併号
【主な記事】
郵便局を活用
1億7000万円
総務省概算要求
総務省は8月28日、来年度の予算の概算要求と重点施策を発表した。一般会計総額は前年度比2977億円減の19億884億円プラス事項要求。減額の要因としては、地方交付税への財源繰り入れ(前年度比2633億円減)や国勢調査と参議院選挙が来年度はないため費用がかからないことなどがある。
郵政関係の新規事業はないが、継続事業の郵便局活用による地域社会の持続可能性の確保は1.7億円で、前年度比2000万円増えた。自治体が郵便局をコミュニティ・ハブとして活用し、住民の利便性の向上や地域活性化を図ることを目的に実証事業を行う。
郵便のユニバーサルサービスが着実に提供されるよう、適切な監督を行うための予算として0.4億円(前年比1000万円減)を要求している。
日本型郵便インフラシステムの海外展開では、途上国や新興国に対して日本の優れた郵便業務のノウハウや関連機材・システムの導入を図り、日本企業の海外展開を後押しする。海外展開支援事業全体で17.5億円。
万国郵便連合への拠出金(分担金と任意拠出金で8.6億円)と郵政行政に関しての国際政策の推進に必要な情報収集で、合わせて9.3億円。
UPUへの拠出金を通じて、郵便局ネットワークの社会的・経済的活用やICT・最先端技術の活用、脱炭素化の取り組みを推進する。
重点施策は「デジタル変革を通じた持続可能な地域社会と強い経済基盤の実現」をテーマに「活力ある地域社会の実現と健全で持続可能な地方行財政基盤の確立」「信頼できる情報通信環境の整備」「防災・減災、国土強靱化の推進による安全・安心なくらしの実現」「国際競争力の強化・経済安全保障の確保」「国の土台となる社会基盤の確保」の5つの柱に分けて、必要な施策や事業を要求している。
これからの社会を支える技術を後押しする施策として、AI社会を支えるデジタルインフラの整備や地域DXの推進、サイバーセキュリティ対策、デジタルインフラの中核となる技術・システムの国際競争力の強化と経済安全保障の確保、AIガバナンスの実現などがある。AIやIT技術の推進や安全の確保など郵便局の活用や郵便ユニバーサルサービスの充実は「国の土台となる社会基盤の確保」に位置づけられている。
地震や水害、山火事が頻発しているが、防災・減災・国土強靭化関係では、災害に備えた通信・放送ネットワークの強靭化や林野火災に備えるための消防力や地域力の充実・強化などに予算配分を求めている。
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