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2025年12月15日 第7331号

【主な記事】

信越支社 JR東日本と連携第2弾
恋のスポット「北竜湖」
地域の魅力を発信
感謝の手紙 夫婦で交換

 贈呈式の後で記念撮影。右から3人目が大曽根支社長。左へ下大薗支社長、江沢市長、松下会長。右へ松本統括局長、丸山局長


 信越支社(大曽根和之支社長)とJR東日本長野支社(下大薗浩支社長)の連携事業第2弾となる、「Re:恋」バウ・リニューアルイベントが11月8日に開催された。地域の魅力発信と関係人口の創出による社会課題解決を目的とした業種を超えた連携の取り組み。
 日本郵政グループとJR東日本グループが2024年2月21日に「社会課題の解決に向けた連携強化」に関する協定を締結したことを契機に、信越支社とJR東日本の長野支社間で、昨年11月に双方の支社長をトップとするワーキンググループを立ち上げて話し合いを進めてきた。連携事業の第1弾として、日本郵便オリジナル商品の長野県産フルーツトマト「さやまる」を活用した農作業体験型研修と輸送連携の実証実験が3月7日に行われた。
 今回は、自治体を含めて地域を元気にする活動が何かできないかという命題のもと、飯山市や小菅・北竜湖観光協会などと話し合いを行ったところ、結婚して何年かを共に過ごした夫婦が改めて誓いを交わすイベント案が提案され、連携事業第2弾に発展した。信越支社は、飯山市の常盤郵便局の丸山稔局長(地方公共団体担当)と共に、飯山市と折衝し連携構築を進めた。
 長野県飯山市、長野県、小菅・北竜湖観光協会、北信州 北竜湖ホテルと連携し、北竜湖を舞台にした同イベントは、観光列車「おいこっと」で訪れた夫婦や家族が、これまで共に歩んできた日々を振り返りながら、互いに「感謝の手紙」を交換するセレモニー。飯山市の伝統的工芸品の内山紙を使用したオリジナルメッセージカードキットを使い、普段はなかなか言葉にできない想いを文字に託した。
 会場となった北竜湖は、ハート形の湖として知られ、恋愛成就のスポットとしても人気の場所。紅葉に包まれた湖畔で、夫婦が感謝の手紙を交換する姿が見られるなど、会場全体がやさしい空気に包まれた。「おいこっと」への乗車からセレモニーの開催まで、1日を通してTOKYO FM系「日本郵便 SUNDAY’S POST」の取材・収録も行われた。
 また、イベント用に特別に制作された〝「おいこっと」で聴く特別なSUNDAY’S POST〟が列車内で放送された。同日、収録された番組は12月28日に放送する予定。番組を通じて、飯山の魅力や手紙の温かさが全国へと発信される。
 連携を記念して、飯山市の観光資源および観光列車「おいこっと」を素材としたフレーム切手「北竜湖と北信州・飯山の四季 おいこっと10周年」を発行した。イベント当日、大曽根支社長から飯山市の江沢岸生市長、JR東日本長野支社の下大薗支社長、小菅・北竜湖観光協会の松下宏之会長へ贈呈された。参加者にも、飯山市とJR東日本長野支社から記念として切手がプレゼントされ、旅の思い出を彩った。
 イベントは、JR東日本びゅうツーリズム&セールスの旅行商品として企画・販売され、県内外から約30人の参加者が集まった。北竜湖ホテルでのランチイベントでは、大抽選会や長野県PRキャラクター「アルクマ」、飯山市PRキャラクター「雪ん子」、ぽすくまによるダンスパフォーマンスも行われ、キャラクターたちとの写真撮影では笑顔があふれた。
 長野駅、替佐駅、飯山駅、信濃平駅、戸狩野沢温泉駅の沿線各地では、長野県北信地区連絡会(松本真統括局長/長野吉田東町)の約50人の郵便局長とJR東日本の社員が連携し、お見送り・お出迎えのおもてなしを実施した。
 列車内では、大曽根支社長があいさつを行った。「日本郵便は、人と人の想いを手紙で繋ぎ、地域の皆さんの暮らしに寄り添う役割を担ってきました。手紙が気持ちを運ぶように、鉄道もまた地域と地域を結び、人を繋いできました。その思いがどこか重なるように感じ、JR東日本と連携した取り組みを行ってきました」と述べた。
 そして「本日は、感謝の気持ちを手紙にしたため、改めて伝えるセレモニーが行われます。普段は照れくさくて口にできない『ありがとう』も手紙に書くと不思議と素直な気持ちで伝えられると思います。一文字、ひと文字に込めた想いが、大切な人の心に静かに届きますように。どうぞ、車窓の景色とともに、大切な方を思い浮かべるひと時をお楽しみください」と語りかけた。
 参加者からは好意的な声が多数寄せられている。「盛りだくさんのイベントで、おもてなしの心がすごく伝わり、よい旅でした」「普段は恥ずかしくて言えない感謝の言葉も、手紙に書いたら伝えられました。北竜湖で手紙の交換ができたのは良い思い出になりました」「家族で過ごす特別な1日になりました。手紙は少し照れましたが、感謝の気持ちを伝えられて良かったです」「沿線の駅で、郵便局の方やJRの方が旗を振って迎えてくれてびっくりしました。『こんなに歓迎された旅行は初めて』と夫婦で話していました」。
 信越支社は、「今後もJR東日本長野支社や自治体、地域団体と連携し、手紙文化を通じて人と地域を結び、温かい交流を生み出す活動を進めてまいります」とコメントしている。


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