「通信文化新報」特集記事詳細
2026年10月12日 第7374号
【主な記事】
東海地方郵便局長会 坪内良樹会長
観光需要を取り込み新たな郵便局の展開を
江戸時代の情緒が残る馬籠宿、合掌造りの茅葺き屋根で有名な白川郷、歴史と伝統が息づく高山など、東海地方は外国人観光客を魅了する観光地に恵まれている。東海地方郵便局長会の坪内良樹会長(岐阜県西美濃地区会会長/大垣室町郵便局長)は、こうした観光資源に着目し、インバウンドを含めた観光需要を取り込んだ、新たな郵便局の展開が必要だと強調する。観光地の郵便局で地域の特産品なども販売すれば、地域経済の活性化、地域の認知度向上などにも貢献することができると語る。そして、20年間、雨の日も雪の日も欠かすことなく毎日、横断歩道に立ち、通学する小学生に声をかけ続けている、表佐郵便局(岐阜県不破郡垂井町)の杉江正直局長の献身的な取り組みを紹介し、「この静かで揺るぎない地域貢献こそが、郵便局が地域に根ざす価値を、雄弁に物語っている」と語る。
■会長就任の抱負を改めて聞かせてください。
会長として東海地方会をお預かりするにあたり、まずは勝又一明前会長が全国郵便局長会、そして東海地方会の運営で示された卓越したリーダーシップに、深い敬意を抱いています。その志をしっかりと受け継ぐことが、私に課せられた最も大きな責務だと感じています。
全特の会則第3条にありますように、郵政事業の発展に寄与するための取り組みを愚直に実践して、郵便局ネットワークを維持し、郵便局の一層の利活用に取り組んでまいります。また、地域社会の発展に貢献するため、地域活動をさらに活発化させ、郵便局の存在価値を高めていきたいと考えています。
そして何より、会員の皆さんの「和」を大切にし、団結と結束をもって組織力を高め、東海地方会としての使命をしっかり果たしていきます。
■現在、特に力を入れている取り組みを教えてください。
インバウンドを含めた観光需要を取り込んだ、新たな郵便局の展開が必要であると考えています。例えば、岐阜県中津川市の馬籠宿は、江戸時代の情緒が残る石畳の坂道、妻籠宿までのハイキングコースなどが、外国人観光客から高い人気を集めています。年間約60万人の観光客が訪れます。
こうした観光需要の拡大に対応し、馬籠郵便局では、昨年6月から観光客が多い時期に、土日・休日も10時から16時まで郵便と物販の営業をするようにしました。ATMも土日休日に9時から17時まで営業しています。
馬籠郵便局は、かつてはそれほどお客さまも多くはない、2名局の小さな郵便局でしたが、内外の観光客の需要に対応して外観を変え、土日休日の営業を開始したのです。その結果、観光客の来局が増え、土日の物販の売り上げも大幅に拡大したのです。
東海地方には豊かな観光資源がありますので、観光客の需要を取り込むために、郵便局の展開を、東海から発信していくことができればと考えています。
岐阜県には合掌造りの茅葺き屋根で有名な、飛騨の白川郷もあります。世界遺産にも登録されていて、年間200万人もの観光客が訪れます。白川郷にも郵便局はあるのですが、集落から少し離れています。
そこで、馬籠郵便局のように観光需要を取り込むことを会社に提案しています。外観なども白川郷の雰囲気にマッチしたものにするといいと思います。
さらに、年間480万人もの観光客が訪れる高山や、静岡県の熱海などでも、観光需要を取り込むことが可能であると考えています。
多くの外国人観光客が、富士山など日本らしい絵はがきを購入します。こうしたインバウンドの需要に対応して、日本郵便としてオリジナル商品の開発を強化し、郵便局で販売できればよいと思います。しかも郵便局には、購入してその場で自分の国に送れるという強みもあります。
また、観光地の郵便局で地域の特産品なども販売すれば、地域経済の活性化、地域の認知度向上などにも貢献することができると思います。
さらに、郵便局を観光客の一時的な休憩場所や荷物預かり所として利用できるようにすれば、郵便局の価値もさらに上がってくると思います。
郵便局の営業時間については、それぞれの地域のニーズに応じて、もっと柔軟に決められるようにした方がいいと思います。例えば、都市部では夜遅い時間帯に開いていてほしいというニーズもあるのではないかと思います。(2面につづく)
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